市販の醤油や梅干しのような加工品、ワインやチーズなどの原材料(裏ラベル)を見ると、ビタミンB1の表示がよくされています。
これは栄養補給で入れているのではなく、保存料として入れています。正しくは「保存料(ゾルビン酸)」や「ビタミンB1ラウリル硫酸塩」です。「保存料(ゾルビン酸)」と表示しないのは、ビタミンB1と表示した方がビタミン不足をきにした消費者が安心するからです。
減塩ブームにより、商品の塩分を控えめにすると、カビや細菌が食品の中で増殖してしまいます。それを防止するのに添加されたのが、この保存料です。
ゾルビン酸は過剰摂取により、腎臓障害や肝臓障害があり、また亜硝酸ナトリウムと反応し発がん性物質であるエチニル酸をつくることなどが動物実験でわかっています。
ビタミンB1ラウリル硫酸塩は、天然に存在するものではなく、合成化合物であり、カビ、酵母菌、バクテリアなどの増殖を抑える抗菌作用の強い添加物です。もちろん本物のビタミンB1は抗菌作用などありませんので、全く異なるものです。
食品に明記されたビタミンB2はどうでしょう。
インスタントラーメン、和菓子、清涼飲料水、かき氷のシロップなどでよく表示されているビタミンB2は、「リボフラビン」という合成着色料のことです。コストを考えると天然ものということはありえないでしょう。
最後に、食品に含まれているビタミンCやビタミンEはどうなのでしょうか。
これも酸化防止剤です。食品に添加されたビタミンCやEは、消費者が食べるころにはすでに酸化されています。体内で酵素により還元型には変換されますが、少量の活性酸素を産生してしまうこともあります。しかし、正常な体であれば酵素が働き無害化されますので、さほど問題はないとは思います。
そして、もしメーカーがこれらを栄養強化目的で添加したといえば、表示免除されます。つまり、混入しても表示しないことがあります。
食品添加物のカラクリは、ふたを開けると実に巧妙です。といっても、加工品がいつでも入手しやすいことから、これらの保存料の恩恵も忘れてはいけません。非常時には保存料は有難いことですが、通常ではやはり無添加がいいでしょう。