エジソンが白熱灯を発明してからわずか100年しかたっていません。
明かりの下で生活できるようになったのは、人類の歴史からみれば、ごくごく最近です。
それまでは日の出とともに起きて、日の照っている間は働き、日没とともに休むというリズムで1日を過ごしてきました。
そのため、このリズムが私たちの身についています。
つまり、地球の自転に従った周期が身についていて、朝になると自然に目がさめ、昼間は活動し、夜になると眠くなるというリズムができあがっています。
1980年代に時計遺伝子なるものが発見されました。
全身の細胞に備わっている遺伝子タンパクで、砂時計のようにタンパク質が増減することで、時を刻んでいることがわかったのです。
ところが、体内時計は24時間より少しだけ長く設定されています。
そのズレをリセットするのが太陽の光です。
朝いちばんに目の網膜から太陽の光が入ってくると、24時間より長い体内時計のリズムがリセットされて、そこから地球の自転に合わせたリズムが、あらためて刻まれるというわけです。
また、朝の光を浴びると、脳の中でセロトニンという神経伝達物質が合成されます。
セロトニンというのは、やはり神経伝達物質であるメラトニンの材料になる物質です。
私たちの体内では、朝起きてからおよそ15時間後にメラトニンの分泌が始まり、その結果、睡眠が促されることがわかっています。
セロトニンがなければメラトニンがつくられないわけですから、朝の光を浴びることはとても大切です。
日中は交感神経を優位にさせて活動的に過ごし、夕方から夜にかけて副交感神経系のスイッチを入れて休息の準備に入ります。
体内時計のリズムは、そのまま自律神経のリズムといっていいでしょう。
日の出とともに起きて日没とともに休むという、もともと人間が持っている生体リズムを取り戻すと、自律神経のバランスが整ってきます。
このように自律神経のバランスを整えるための条件の1つが、早寝早起きなのです。