米国のジョスリン糖尿病センターによると、「高温多湿な天候が続く暑い夏は体の新陳代謝がいっそう上がるため、低血糖になりやすい時期である」としています。
(ちなみに、このセンターは世界最大の糖尿病研究所。)
暑い夏ではさらに清涼飲料水、アイスクリーム、甘い果実など糖分の多い食品を摂取する機会が増える時期でもあります。
これらが相乗して、いわゆる低血糖症を起こしてしまう人が多いのです。
砂糖の多い清涼飲料水やアイスなどを一挙に摂取してしまうと、インスリンが過剰に分泌され、余計に血糖を下げるため、低血糖症を起こしてしまいます。
血糖が低下すると、これに反応して脳は脳下垂体と甲状腺を介して副腎にアドレナリン、脳にノルアドレナリンを分泌させ、肝臓にブドウ糖を血中に放出させます。
副腎髄質から分泌される「アドレナリン」は心拍数や血圧の上昇などどちからというと肉体や血管への交感神経系が作用しますが、「ノルアドレナリン」は中枢神経系の橋にある青斑核からほぼ脳全域に投射され、怒り、攻撃、イライラ、不安感、強迫観念などの感情面のほうに強い影響を与えます。
そして、低血糖によりアドレナリンやノルアドレナリンの濃度が一挙にあがると、キレる、パニックになるという行動があらわれはじめるのです。
さらに血管収縮も起こすため、手足が冷えたり、眼の奥が痛くなったり、偏頭痛や頭の締めつけのような症状も見え始めます。
ノルアドレナリンはコルチゾールというアレルギーやストレスに対抗するホルモン分泌までも刺激します。
生体内でアドレナリンの高濃度が持続すると、活性酸素に出くわす機会が増えます(特に心筋で見られます)。
そもそも、アドレナリンが持続する生活をしている人は多くがこうした不摂生であり必然的に活性酸素の多い環境も作っていることが多いでしょう。
アドレナリンが過剰な活性酸素やほかフリーラジカルによって酸化すると、「アドレノクロム」という幻覚作用のある毒性物質へと変化します。
アドレノクロムは脳に入ることができ、これが精神毒性となり、最悪は幻覚や錯覚そして精神異常を起こしてしまいます。
以上のように、夏は低血糖症を起こしやすい時期でもあり、さらに甘いものを多量摂取することで低血糖状態が続くと、アドレナリンを多量に分泌させてしまいます。
アドレナリンはキレるホルモンであり、さらにこれが酸化してしまうとアドレノクロムという幻覚症状を起こす毒性物質になってしまいます。
ビタミンC、E、亜鉛、セレンなどの抗酸化物がアドレノクロムを生成させないという報告もありますが、そもそも低血糖やアドレナリン分泌亢進にならないように、普段の食生活に気を配ることが先決だと思います。