人間の細胞は、炭素と酸素とアミノ酸から出来ています。 つまり、「タンパク質」から出来ています。
古い細胞や悪い細胞を、新しい細胞に入れ替えるにもタンパク質が必要です。 ガン細胞をやっつけるのにもタンパク質が必要です。
体が成長するにもタンパク質が必要だし、内臓や血液を日々新しく修復するのにもタンパク質が必要です。
日の出とともに山に芝刈りに、川に洗濯に、しかも子を一日中おぶいながら、毎日撒きを割り、かまどで米を炊きとか、できないくらい。
「日本人女性は、かつての腸内細菌を取り戻せば、米俵を担げるほどの活力が蘇るだろう。」と言われています。
現代の女性が好きなごはんは、パンにスープにサラダ。お野菜たっぷりベジごはん。パスタにサラダ。スムージーにグラノーラをオン。
手作りスイーツでひと息とか。
食事にタンパク質が全く入っていない。 ミネラル、アミノ酸、亜鉛の欠乏状態。
冷えるわけです。
人間の必須栄養素、タンパク質・炭水化物・脂質のうち、一番大切な「タンパク質」だけが欠けているのです。
栄養がじゅうぶんに摂れていない「現代型栄養失調」というやつです。
もしくは、体が栄養素をじゅうぶんに吸収できていない。 (これはまさに「よく噛んでいない」ということです。)
毎日、新しい細胞を入れ替えること。タンパク質の流れを止めないこと。 アンチエイジングにも血行改善や冷え、ダイエットにも重要なことです。
戦前の日本人に比べると、現代日本人のタンパク質摂取量は半分に減少しています。
特に女性は圧倒的にタンパク質不足。
だから食後に甘いものが欲しくなったり、おやつやパンが習慣になったり、太りやすかったり、ご飯の量が多かったりするんです。
特に子供で、白いご飯を何杯も必要以上に食べたり、おやつをいっぱい食べたがる時って、体に栄養(タンパク質)が足りていない時なんですって。
だから手っ取り早く脳に吸収される「糖質」を欲してしまう。
小麦粉を米粉のパンに変えたって、豆乳ヨーグルトを添えたって、たいした変わりはありません。
子供が肉を食べたがるのも、小さな体のサインですし、おやつやお米を過食するのも、小さな体のサイン。
なぜ昔の人は粗食でも元気だったのに、現代人は疲れているのか。なぜ現代人は積極的にタンパク質をとらなきゃいけないのか。
体の疲れではなく脳の疲れは、大量のタンパク質とアミノ酸を消耗してしまいます。
現代人は、社会的ストレスや、核家族での育児、デスクワーク、学校などの社会的負荷、環境汚染、化学物質、あらゆる脳への負担がかかっている。
でも、悪い細胞や傷ついた細胞を新しく再生させるにはタンパク質が必要です。
健康な人なら、体重1kg当たり1g、大きな怪我や精神的ストレスを抱えている場合は、2~2.5gも必要になるのだそうです。
つまり脳の修復には、体の修復の2倍以上のタンパク質が必要ということ。
だから、江戸時代や戦前とは社会的価値観も環境も根本的に違うので、必ずしも昔の人と同じような食事をしていればいいわけではない。
というか、生活環境自体が違うんだから、比べようがないんです。
(昔の人だって肉や魚や豆類をまんべんなく食べていましたし、現代人に比べたら筋力も体力も全然違います。)
女性で圧倒的に筋肉量が少ない人、(体の熱を作り出す唯一の機関は「筋肉」ですよ!)、よく噛まず、一回の食事でお腹いっぱい食べてしまう人、
代替スイーツをやめられない人、見よう見まねで間違ったマクロビや菜食をしている人(←亜鉛不足や副腎疲労を引き起こします。)、
太りやすい人、太れない人、
タンパク質不足(=ミネラル・アミノ酸不足)になっています。
タンパク質をしっかり摂っていたとしても、甘いものを食べればそこからミネラルは奪われていきます。
食事にタンパク質をしっかり取り入れると体は栄養素だけでなく、「幸せ物質」のアミノ酸トリプトファンで満たされるので、体だけでなく「心」も満たされ、
間食やおやつを欲しなくなるし、パンや白米ばかりを食べるということもなくなります。
肉や魚をたくさん食べればいいという意味ではなく、逆に植物性タンパク質だけ食べなさいという意味とも違います。
植物性タンパク質はとても吸収が悪いので、一食で大量に摂らなければならず、体で合成できないアミノ酸や亜鉛が圧倒的に不足しますから、
食べ方を間違うと子供の成長や女性の髪や肌に影響を及ぼします。
逆に動物性タンパク質は少量でも体にすみやかに吸収されて血液や細胞の修復に使われるので、大量に摂る必要はないけど、植物性タンパク質では摂れないアミノ酸をすべて含んでいる。
要は食べ方、バランスですね。
髪・爪・肌が乾燥する方は特に。細胞が修復するためのタンパク質が足りてません。
体の不調は一番臓器に影響のない髪・肌・爪・歯から順にくるからです。
よく「タンパク質は消化に負担がかかる」とか言われますが、それは、よく噛んでいないからです。
というか、ご飯や野菜すらよく噛んでいない可能性もあります。
栄養素が腸に吸収されずに消化不良のまま大腸までいき、腸内環境を悪くし、お腹が張ったり、便秘になったり、肌合あれしたり、眠くなったり、
疲れたりします。
「一口30回噛みなさい」とはよく言われますが、玄米食なら50回噛まないと栄養素は腸に吸収されません。
特に玄米は口の中でお粥状になるまで噛まなければ、腸を傷つけて栄養を吸収できなくなるリーキーガットを引き起こします。
マクロビオティック食ならすべて50回噛むのが基本です。 そうでないとマクロビオティックであっても意味がないのです。
どんな健康的な食べものでも、「よく噛むか・噛まないか」によって体を傷つけるものになってしまうのです。
肩こり、冷え、便秘、アドレナルファティーグ、PMS、太る・太れない、アレルギー、慢性疲労、そもそも体が栄養素をしっかり吸収できていない証拠。
タンパク質以前に、食べものをよく噛んで食べていないから消化力が低下しているのです。
本来なら少量の食事でも、よく噛めば栄養素はしっかり体に行き渡ります。
とにかくよく噛む。
唾液を増やす。
唾液は自分の体に一番合った数千種類の酵素や免疫物質がカスタマイズされた天然の抗ガン剤であり、最良のサプリメントです。
ちなみに、アミノ酸豊富なタンパク質といったら、
味噌、
醤油、
魚醤、
かつお節(ちゃんと発酵している本枯節のもの)
しじみ・あさり(貝類)
しらす(小魚)
桜エビ、
高野豆腐、
厚揚げ、
油揚げ、
ごま・ナッツ、
海苔、
青魚、
鶏むね肉、
赤身肉、
イカ、
エビ、
有精卵、
じゃこ、
などなど、
たくさん食事にプラスできる和食は作れますよ!
ハンバーグや、ウィンナーや、ベーコンやちくわなどの練り物や、パスタや麺類に入ってるちまちました肉などは、あまりタンパク質のうちには入りませんよ。
つなぎを使うものや麺類はタンパク質よりも「糖質」のほうが多いからです。
また、ステーキや焼肉やトンカツなど揚げたり焼いた肉は体が酸化しますから、毎日のように食べたらイカンと思います。
それよりも、肉じゃがや、豚汁、煮魚やポトフや鍋物、貝類の味噌汁、蒸し鶏肉、煮豚など、スープに溶け出した栄養素までまるごと摂れるものがいいです。体も温まりますし。赤身の多いモモ肉の蒸し豚とか、香味野菜を添えて。鶏の水炊き鍋とか、タラ鍋、豚しゃぶなんかも最高だよね!
甘味料・小麦粉・精白米・果物を減らして、動物性・植物性、両方のたんぱく質をプラス。ミネラル豊富な乾物をプラス。少しづつでいいから、よく噛む。
一食に油揚げや牛肉や青魚を大量に食べますか。よく噛めば、適量でいいのです。1週間でも体は劇的に変わると思います。
タンパク質には、消化を促してくれるビタミンたっぷりの野菜おかずをたくさん添えてね。
ご飯(糖質)は小さい茶碗に軽く1杯でもう満足しちゃう。「なにか甘いもの食べたいな〜」もなくなります。
ガッチガチに自分に縛りを作ってまでやる必要はないです。そのほうがむしろ、心と体に大量のストレスをかけますから。
そもそも日本人は健康情報にまどわされながら頭で食べ物を食べすぎだと思います。
どんな国の人も、「お腹がすいたらその日に手に入るものを食べる」、「自分が美味しいと思うものを食べる」というのが日常である中で、
頭でいろいろ考えながら食べているのは日本人だけのような気がします。
自分でも気づかないような精神的負担は、知らず知らずのうちに体のミネラルとタンパク質を奪ってしまいます。
私は「悩みながら食べる、考えながら食べる」というのが一番体に悪いと思っています。
体の根底は、「その季節に採れる美味しいものを食べる」これでいいと思うんです!
すべては自分の体の声ありき。そこにちょっとだけ、タンパク質を意識してみてくださいね。