逆境にあるときには、その人なりに強い気持ちでそれを乗り越えようとして自分を叱咤激励し一生懸命に頑張ろうとする。
右に傾いたり左に傾いたりする不安定な心を、何とか自分の意志でコントロールしようと頑張る。
そのコントロールが出来ない時、心が沈みがちになったり暴走する。
コントロール出来ている時は、前向きにやる気になっている。
しかしいずれの場合も、心は荒海のごとく、浮いたり沈んだりして感情の起伏がどうしても激しくなるようです。
このような「頑張っている状態」のところに、心の安定を求めることは土台・・・困難なことではないでしょうか。
東洋的思想に 「喜怒哀楽を平坦にする」 という言葉がございます。
喜びも・・・怒りも・・・悲しみや心配も・・・楽しみも・・・
全ての感情が感情のままに大きく揺れると、例えプラスの感情ととらえられている喜びであっても・・・あまりよろしくないのです。
えっ!! っとお思いの方も多いと思いますが、最上の喜びは・・・はしゃぎまわって感情を高ぶらせるものではなく、「静かにかみしめる」 ものだと思います。
本当の深い喜びは、じわっと心に広がっていき、何とも言えない満たされた感じになり、心身がリラックスしてゆるんでいく・・・・
つまりプラスの感情と言える喜びでも、感じ方が異なったり、過ぎてしまうと感情を興奮させる要素となります。
感情が興奮すると…呼吸も荒れて身体も硬くなりリラックスや心身の弛緩にマイナス作用を生み出す場合もございます。
喜びも → 「歓び」へと、感じ方を転換していただきたいと思います。
つまり 「喜びは興奮 → 歓びは鎮静・弛緩」 です。
フェイスブックでも、「わくわく・ウキウキ」というキーワードを時々拝見いたします。
健康な方はそれでよいのですが、逆境に立ち向かっている時には、どうしても感情の揺れが大きくなっています。
感情の揺れが大きくなっていると、時には喜びの感情であったとしても、心の起伏が神経系や内分泌系をある方向に働かせ、身体・免疫などに影響を与えます。
話は少しそれてしまいましたが、荒海のごとく浮き沈みする感情をコントロールすることは・・・凡人にはなかなか難しい。
自分が今感じていることは、ネガティブであれ、ポジティブであれ、どうしようもないのです。
つまり感情を理性や思考でコントロールするな。言葉でコントロールしようとするな。
という事です。
一時的には役立つかもしれませんが、多くの場合、無駄な努力に終わるケースがほとんどではないでしょうか。
心の安定を得るために一番大事なことは、心を穏やかにするという事です。
海で表現すると、波風がなく静かな状態という事です。
この海の状態の時、浮かぶ船は、たとえ小さな小舟であったとしても、揺れがなく立って周りを見渡すこともできるでしょう。
また目的方向に向け、最小限のエネルギーにてスムーズにかじを取り、視界も良好でしょう。
究極は・・・穏やかな心とは、脳や身体を忙しく働かせない。
思考や感情を働かせないというところに尽きると思います。
心が揺れ動くのは思考や感情・身体・脳を働かせすぎるからで、そこから解放してやることです。
それには日常の生活の中で、以下の事を実践していただくと、随分心を穏やかな方向に自然に導いてくれると思います。
心を意識でコントロールするのではなく、行動でコントロールするのがコツです。
まあ・・・行動認知療法のような側面ですね。
是非、実行してみてください。
今現在よりはるかに、心は穏やかになると思います。
すなわち、現在取り組んでいる療法の効果が最大限生かされる心身の状態です。
心を穏やかに保つ工夫として・・・・・
■朝型人間になり規則正しい生活
■一日の歩行数最低8000歩の歩行
■植物食主体の食事で自然食に近いほど良い
■足を使う運動の実施
■呼吸法・瞑想のすすめ。特に吐く呼吸が長くなれば心に平安が訪れる。
■声を出す
■関節を動かす
■自然と一体になる
目や耳などの感覚を自然物に傾ける
■物事のよい側面を見出す才能を磨く・感謝する