生ある者は必ず死ぬ。
異論はありません。
子供にもわかります。
「今日とも知らず 明日とも知らず 後れ先立つ身」と言われれば、
「確かに、今日か明日にも死ぬことがあるかもしれませんね」と
物わかりのよい返事をします。
人は必ず死ぬ。
もしかしたら明日かもしれない。
誰もが頷きます。
しかし、それは私たちの建前です。
明日死ぬかもしれないとは微塵も考えません。
明日は必ずある。
そう思い込んでいます。
手帳に明日の予定を書き込んで段取りを考えている頭には、明日死ぬかもしれない自分は想定外です。
明日はあると思う心は、明日になっても明日はあると思う心です。
明後日になっても明日はあると思う心です。
いつまでも明日はある。
この心に揺らぎはありません。
明日はあると思う心は永久に死なない心です。
必ず死ぬ私が、永久に死なないと思っています。
人は他人に騙されるのではない。
自分の心に騙されるのだ。
そして、人生の目的を見誤るのだと言われます。