交代浴は疲労回復法として絶大な効果があると注目されている入浴法です。
1日の疲れやストレスをお風呂で解消、入浴は手軽にできる最適なリラックス方法です。 そんなお風呂の入り方をちょっと工夫するだけで、様々な効果を最大限に得ることができるのです!
サッカー選手などアスリートが、毎日自分でできる疲労回復法としてあげている「交代浴(温冷交代浴)」。その効果は大きく、日本だけでなくオーストラリア国立スポーツ研究所の論文でも、交代浴をテーマに大きな効果が実証されています。
手軽にできて、効き目バツグン!
交代浴とは、簡単に言うと温かいお湯と冷たい水を交互に浴びる入浴法のことです。 交代浴では、入浴が促す自律神経への刺激と血管の伸縮作用による血行促進を利用します。
血行が良くなることで、疲れの原因となる乳酸や、体にたまった疲労物質を素早く取り除くことができます。自分の自然治癒力を最大限に生かす方法で、自律神経の働きを活発にして生理機能を高めることにもつながります。
交代浴は、銭湯など温かい湯船と水風呂が別々にある場所では、比較的気軽に実践することが可能です。しかし、家に湯船は2つも無いし、わざわざ銭湯に行くのも大変・・。という方は、ご自宅で湯船と水シャワーを使って行うことが可能です。
交代浴の効果的な入浴方法
入浴する前に : 必ずコップ1杯の水分補給をしましょう。
手順1 : 40℃〜42℃のお湯に1〜2分ほどつかる
手順2 : 10℃〜15℃の冷たい水に1〜2分ほどつかる(水シャワーの場合は10秒〜30秒ほど浴びる)
手順3 : 手順1〜2を6〜12分間ほど繰り返す
入浴後は : 身体に負担がかかる入浴法のため、リラックスしてしばらく安静にしましょう
最初は、水風呂がかなり冷たく感じるかもしれませんが、その場合は無理をせず、温かい湯船に移りましょう。回数を重ねるうちに、血行もよくなり冷たさが心地よく感じるようになります。
交代浴に慣れないうちは、手や足だけ冷たい水を浴びる「部分浴」でも効果が感じられます。
◼︎必ず「水」で終わりましょう
水風呂もしくは水シャワーで終わることで、入浴直後には身体の表面の温度は低くなり、毛穴が閉じて汗が出にくくなります。また、温浴で温まった体熱が逃げずに体内にとどまるため、身体が中から保温されます。
◼︎長時間やれば効果が上がるわけではありません
効果が出るからといって、長時間行うほど効果が上がるということではありません。
オーストラリアの研究では、交代浴を12分と18分行った場合のパフォーマンスの回復度を調べたところ、12分の方が回復度が上がったという結果が報告されています。適度な長さで無理をせず行いましょう。
血流をよくして疲労回復!
熱いお風呂に入ると、私たちの身体は体温の上昇を防ごうとし、血流量を増やして体熱を逃がそうとするために、毛細血管が太く広がります。逆に、冷たい水風呂に入ると、体熱の放出を防ぐために、毛細血管は収縮します。
交代浴をすることで、毛細血管の拡張と収縮が交互に行われ、血管のポンプ作用が活発になります。血管のポンプ作用で血流が良くなり、疲労物質である乳酸や老廃物などの疲労物質を取り除くことができます。
自律神経の乱れを整える
自律神経は、身体の緊張を解きほぐしリラックスさせる「副交感神経」と、血の巡りを活発にしエネルギーを充満させる「交感神経」が交互に切り替わってバランスを保っています。
温かいお湯は副交感神経を、冷たい水は交感神経を刺激します。交代浴によって、副交感神経と交感神経を交互に刺激することで、自律神経の働きを高めたり、バランスを整えることができます。
自律神経の乱れは女性の冷えの原因の一つです。交代浴は慢性的な冷え性にも効果があります。
複合性局所疼痛症候群(CRPS)のリハビリにも利用
交代浴はCRPSのリハビリにも利用されています。自律神経の乱れに働きかけることで、疼痛を軽減させる効果があります。
リハビリに利用する場合は、利用方法や頻度など、必ず事前にかかりつけ医に相談してください。
その他にも嬉しい効果が!
疲労を素早く除去するため、筋肉痛の緩和、持久系のスポーツでの怪我予防やパフォーマンス維持が期待されます。
また、交代浴はもともとは温泉療法の一つとして利用されてきました。低血圧・便秘・頭痛・不眠・むくみなどに効果があるとされています。また、代謝がアップするのでダイエットにも効果的です。
お風呂の効能!温浴と冷水浴の効果とは
入浴の効果は、交代浴法だけで得られるわけではありません。日々の温浴と冷水浴でも、身体の疲労に合わせた効果が期待できます。
シャワーだけではなく入浴を習慣付けることで、基礎代謝の向上や免疫力アップにもつながります。
持病がある方は要注意!
交代浴は、大きな効果の反面、身体への負担も大きくなります。
以下に当てはまる方は、交代浴はお控えください。
◼︎高血圧や心臓・循環器疾患の持病をお持ちの方
◼︎重度の炎症(肉離れ・重度の捻挫)がある方
◼︎発熱や体調不良の方
◼︎薬を継続して服用している方
また、交代浴に限らず、下記の場合は入浴を控えましょう。
◼︎食事の直後(食後1時間はあけましょう)
◼︎アルコール摂取時
疲労回復のおともに!入浴後には水分補給を
交代浴を行った直後は、発汗で体から水分が失われている状態です。ゆっくり体を休めながら必ず水分補給を行いましょう。