程度の差はあれど、日本人の約が7割が陥っていると言われているリーキーガット症候群。
リーキーガット症候群を疑ったら、まず真っ先にするべきことは「腸の炎症を招く、遅発型アレルギーの食品を除去する」ということです。
(日本人に多いのはグルテン、カゼイン、卵。アレルギーというよりも、リーキーガットになったことによりその食品に過敏に体が反応するようになってしまったというべきかもしれません。)
でもそれだけでは、実はリーキーガット症候群を克服することはできません。
同時に
◆腸粘膜を回復させること
◆腸内環境を整えること
この二点からのアプローチが必要不可欠となります。
リーキーガット症候群とは
リーキーガットとは「腸に穴が開く」という意味で
(大きな穴が開くのではなく、腸の慢性炎症により腸の粘膜が破れてしまい小さな穴がいくつもあるという感じ)
本来なら腸内にとどまるはずの毒素や食物の粒子が腸壁から漏れだし血液に乗って体全体に流れてしまいます。
腸の免疫機能が正常に機能しないために、あらゆる病気にかかりやすくなってしまいます。
アレルギーやアトピー、リュウマチや脱毛症、過敏性腸症候群、ガスがたまる、PMSなど、、、
現れる症状こそ人によって違いますが、様々な病の根源にリーキーガット症候群があるという場合がとても多いのだとか。
「腸に穴が開く」ということは、それだけ大変なこと。
確かに、私が以前勤めていたドクターズカフェのドクターも「腸がきれいで病気になっている人はいない」と断言されていました。
リーキーガット症候群は病院での治療が難しい
ちなみに、リーキーガット症候群は、西洋医学において診断名として確立していません。
そのため、一般的な病院での治療法も確立していないというのが現状です。
(個人病院で個別に取り組まれている病院は多くありますよ)
ちゃんとした病名でないのなら、そんな症状はそもそも存在しないのでは、と思われる方も少なくないかと思います。
私たちは「お腹を切って腸の様子を目で確認する」なんてことは、まずできませんから、そう思われても仕方がないかもしれませんね。
あふれかえる情報を鵜呑みにせず、取捨選択されるということは素晴らしいことと思います。
それでも、私がこのリーキーガット症候群についての情報を発信するには理由があります。
数年前まで多くの自己免疫系の疾患に悩まされてきて様々な食事療法で徐々に回復してきた私が、当時を振り返って
「自分が悩まされていた症状は全てリーキーガット症候群が根源にあったのだろうな」と、そう確信しているからです。
もっと早くに気が付いていれば、そう思うからこそ手遅れになる前に、少しでも多くの人にこのリーキーガット症候群の存在と対策について知っておいてもらいたいと思っているのです。
自身の体験
多発性の円形脱毛症で髪の毛をほぼ失った
実は今から8年ほど前になりますが、円形脱毛症で悩んでいた時期がありました。
それも、難治性の多発性円形脱毛症。
発症してから一年ほどかけて、みるみる髪は抜け落ち、ウィッグなしでは人前に出られない状況になりました。
当時23歳だった私。命に別状はない病気とは言え、辛かった。
当然、様々な病院をめぐり、治療法も塗り薬や注射、紫外線療法など色々と試しましたが、どれもこれといった効果はなく、6年間もの間完治することはありませんでした。
原因もストレスとしか言われず、病院の先生からも長年付き合っていくしかないかもしれないとも言われていました。
そして脱毛症が治らず、「体質だからしょうがないのかも」と受け入れ始めていたころ今度はアレルギー性の鼻炎が悪化し、副鼻腔炎になりました。
そして、その次は日常生活に支障をきたすほどの手荒れ(一般的に主婦湿疹と言われるような症状)その後はアトピー性皮膚炎の悪化です。
一気になったわけではなく、徐々にこういった様々な症状が出てきたのです。
もちろん、一つ一つの症状に違った原因はあるのでしょうが「腸粘膜が弱っていた=リーキーガット症候群になっていた」という共通の原因があったということは間違いないのではないかと思います。
自己免疫疾患の多くは
リーキーガット症候群が根原と言われている
リーキーガット症候群の症状は、様々ありますが円形脱毛症やアレルギー性の鼻炎、アトピー性皮膚炎などもその症状の一つです。
リーキーガット症候群を聞いたことがなかった方も「アレルギー体質を根本的に改善させるためには腸内環境を整えること」ということを聞いたことがある方は多いかと思います。
要は腸が元気に働けば、腸の持つ
「消化・吸収の機能」
「不要なものを排泄する機能」
「有害物質を体に取り込まないようにする機能」
「化学物質を解毒する機能」
「細菌、ウイルス、カビなどから身体を守る免疫機能」
などが正常に働き、私たちの健康に生きていくための頼もしい味方となってくれるということです。
当時を振り返ってみての自分なりの考察
◎多発性の円形脱毛症
◎慢性鼻炎による副鼻腔炎
◎アトピー性皮膚炎
◎日常生活に支障をきたすレベルの手荒れ(常にブツブツで痒い状態)
繰り返しになりますが、今となって当時の自分の状態を振り返ってみると当時私が悩まされていた症状は、全てリーキーガット症候群が根源だったと確信しています。
現れる症状が増えていったというところから考えるとリーキーガット症候群が年々進行していったのだろうと推測できます。
当時の私の食生活はというと
・週に3日程度の晩酌
・パンや麺類など、小麦製品好き
・ヨーグルトやキムチ、チーズを身体に良いからと積極的に食べる
・週に2日程度の外食
・コンビニを頻繁に利用(スナック菓子やスイーツも)
・加工食品や市販品も多く利用
といった感じです。
基本的には自炊をしていましたし、すごく乱れているというわけでもなかったと思うのですが、今振り返ると、腸にはかなりの負担を強いていたなと反省。
さすがに、体調が悪化していく中でこれはまずいぞと色々と原因を探り食生活の見直しにやっと目を向けたのでした。
そして、これらの症状は主に以下のような食生活を徐々に取り入れていったことで少しづつ症状が回復しました。
◆半日断食を取り入れた。
◆体に良いと信じていた発酵食品を見直した。
ヨーグルト、キムチ、チーズなどからぬか漬け、豆乳ヨーグルト、納豆、味噌などに切り替えた。
(自分の身体にあったものに切り替えたということです。人によって違うはずですが。)
◆砂糖絶ちをした。
◆添加物が多く含まれる加工食品や市販品を避け、可能な限り自炊した。
◆基本的な食事は一汁一菜。
◆手に入る限り、食材をオーガニックなものに切り替えた。
当時、免疫のバランスを整えようと様々な自然療法を試しましたが、「あ、これは身体に合っているな」と感じ、今も続けているのがこれらの食生活。
これらの習慣を振り返ってみて全ての習慣に共通していることは「腸内環境を整える」ということ。
◎一般的にリーキーガット症候群の治療とされる食生活と
◎当時の症状に効果的だと感じた食生活
この両面から、
リーキーガット症候群に効果的だと思える食事療法を私なりに考えてみました。
リーキーガット症候群の食事療法
1.遅発型フードアレルギーの食品を特定し、除去する
2.腸を傷つけている食品を極力避ける
3.腸内環境を整える
4.腸粘膜を回復させる
リーキーガット症候群の食事療法でのアプローチは大きく分けて以上の4点が言われています。
さらに、私がもう一点付け加えたいのが
5.半日断食を取り入れて腸を休ませる時間を作るというもの。これについても後ほど詳しくご紹介します。
1の「遅発型フードアレルギーの食品を特定し、除去する」の項目については、「アレルギーなんて自分にはない」と思われている方も多いかと思いますが、そこが落とし穴。
リーキーガット症候群は、フードアレルギーを引き起こすと言われています。
(腸が正常に機能せず、未消化のたんぱく質が血液中に流れるのですから、考えてみれば納得ですが)
卵、小麦粉、乳製品、大豆、イースト菌、豆類などがアレルギーの起こりやすい食品。
まずは怪しい食品を2週間除去し、体調の変化を見て判断します。
遅発型フードアレルギーの検査をしてくれる病院もあるので、検査を受けるのも良いと思います。
ちなみに私は、卵、小麦粉、乳製品が合わなかった。
卵については卵黄は大丈夫だけど白身を食べるとどうもよくありません。肌が荒れ、イライラします。
2.腸を傷つけている食品を極力避ける
アレルギーの食品以外にも、腸を傷つける可能性のある食品は多くあります。
代表的なものは以下のようなもの。
砂糖 グルテン レクチン(一部の野菜が含むたんぱく質) アルコール カフェイン 精製炭水化物
食品添加物 残留農薬 塩素 放射性物質 抗生物質(家畜に残留している可能性も大)
玄米については諸説あり、賛成派反対派と別れます。
多くの反対派の意見は、その発芽毒が反対理由の根拠となっているので、発芽玄米もしくは酵素玄米にして頂くのがベターかなと思います。
私が体感上一番効果を感じたのは脱砂糖。
確かに砂糖をやめることは初めの2~3週間は大変かもしれませんが、それを乗り越えれば得られる恩恵は計り知れません。
砂糖にはまっていればはまっているほど、脱砂糖をする価値は高いと言えます。
3.腸内環境を整える
腸内環境を整えるために、発酵食品を積極的に摂るようにしましょう。
おすすめは、ぬかずけやザワークラウト、味噌、納豆、豆乳ヨーグルトなどの植物性の乳酸菌。
植物性の乳酸菌は胃酸にも強く、ちゃんと腸までたどり着いてくれるからです。
できることなら手作りがおすすめ。
確実に自分の身体に合った乳酸菌が育ちます。
作ってみると意外と簡単で、何より楽しいですよ!
4.腸粘膜を回復させる
腸粘膜を回復させるためには
◎ビタミン、ミネラルをたっぷりの野菜で補う
◎オメガ3系脂肪酸
◎アミノ酸やゼラチン豊富なボーン・ブロススープがおすすめ。
・野菜類は、加熱したものばかりに偏らず、半分は生で食べるというように意識した方が酵素を生きたまま摂ることができます。
・亜麻仁油やえごま油、青魚やクルミなどに多く含まれるオメガ3系脂肪酸は、腸の炎症を抑えてくれると言われていますので、サラダのドレッシングのオイルや納豆に加えるなどして食事に取り入れると良いと思います。
・ボーン・ブロススープに豊富に含まれるゼラチンは、腸を癒し、保護する効果があるということが分かっていてリーキーガット症候群に有効な食事として注目されています。
◎ボーン・ブロスの作り方
ゼラチンは、胃酸の過剰な分泌によるダメージを抑えるか、胃粘膜の血流を増やして保護機能を向上させるかして、消化管粘膜を安定させると言われている。
また、ゼラチンに含まれるグリシンにも抗炎症作用、免疫の調整、細胞を保護する役割などがあり、腸を癒して保護する働きがあることも分かっている。
半日断食 週末断食などで腸を休ませる時間を作る
私が実践してみて最も調子が良い!と感じた方法は、実は断食です。
リーキーガット症候群は腸の粘膜が傷ついている状態ですから、考えれみれば当然のことですが、腸を休ませる時間を作ってあげることが重要ということなのでしょうね。
西式甲田療法で有名な甲田光雄先生も「何らかのアレルギーがある人は腸に傷がある」とおっしゃっていて、半日断食などを取り入れて腸を休ませることの重要性を説いています。
空腹状態を作るということは傷ついた胃腸粘膜を修復してキレイにすることなのです。
まずは1か月やってみましょう。
リーキーガット症候群は放っておいて治るものではないということ。
ものは試し。まず1か月、できるところからやってみませんか。
その1か月間は外食を控え、極力自炊にし、腸を傷つけている食品の摂取をやめます。
プラスアルファとして、
◎乳酸菌豊富な発酵食品
◎野菜をたっぷり(生のものも取り入れて)
◎オメガ3系の油
◎ボーン・ブロススープ
◎半日断食
などを取り入れるといった具合です。
1か月なら頑張れそうな気がしませんか。それで調子が良くなれば、もうちょっと頑張ってみようかなという前向きな気持ちになれるかもしれません。