秋は梨・りんご・ぶどう・栗などの「実」の成る頃ですから、若芽や若葉である野菜が今の時期にあるというのは、本来不自然なことなのです。
さて、こんな時期でも「例外」の野菜があります。
それがモロヘイヤ、つるむさらき、エンサイ(空芯菜)です。
これらは栄養学的視点から見ても面白い野菜です。
人にとってとても薬効性のある野菜です。
モロヘイヤはエジプトをはじめとする中近東地域の、高温で乾燥している砂漠地帯でも立派に育つことができる、とても珍しい植物のひとつで、実際に現地で生活していた方から、エネルギー源や栄養源の一つとしてこれを当てにしながら生きたと聞いたことがあります。
モロヘイヤと言えば、まずねばねばのムチンです。
ムチンは、主成分が水溶性食物繊維であり、私たちが摂取すると、放射性物質排出作用や善玉菌増加の促進、免疫力強化などの役割を果たします。
これはオクラ、つるむらさきなどの夏野菜に多く含まれる特徴がありますが、これはウイルスや細菌などの外敵から守るために植物が生合成する栄養素です。
もう一つ注目すべきはケルセチンです。
ケルセチンは腸内環境の改善にとても有効に働きます。
ケルセチンはもちろんフィトケミカルの一種ですが、その効果は意外とばかにできず、腸内環境改善に役立ちます。
(ただし、それなりに長期間の摂取が必要ですが。。)
つるむらさきは草本の植物であり、特に夏の時期には栄養源として重宝されます。
多肉質でもあるので食用に向いていたのでしょう。
βカロテン、ビタミンCをはじめ、ほうれん草などに比べるとやはり栄養価が高いです。
モロヘイヤ同様にねばねばの成分が私たちの消化器官の環境を正常化します。
空芯菜もつる性の多年草であるため、今の時期にもあるわけです。
これらの野菜は他の野菜に比べ、カロテン、ビタミンC、鉄など豊富に含まれますので、暑い夏を過ごすのに最適です。
ビタミンB群も比較的高いです。
私はこれらの野菜は炒めたりせず、スープの具に入れています。
他にもおひたしや和え物にもいいと思います。
店頭で見かけたらぜひお試しください。
※注意
モロヘイヤの「種」は有毒ですので、間違っても摂取しないようしてください(特に家庭菜園している人)。
また、葉にはシュウ酸が含まれますので、湯通しであく抜きをお勧めします。