もともと日本の土壌にミネラルは少ないため、マグネシウムをきちんと摂取するというのは、実は困難です。
さらに、現代の日本人は食事内容や生活習慣があまりよくないため、胃や腸内環境が悪化している人が多く、これによって吸収が上手く出来ず、深刻なマグネシウム欠乏になっていることでしょう。
マグネシウムは基本的に血液検査では状況把握が難しいため、どうしても見逃されてしまうミネラルの一つです。
体内の多くの酵素反応に関与しているため(特にミトコンドリア内)、マグネシウム欠乏により多くの種類の不調が起きてしまいます。
ところが、一般の病院では原因不明となり、最終的にはマグネシウム摂取を無視した対症療法による薬漬けなどが始まってしまうという悪循環が起こっています。
マグネシウムは多くの植物性食品から摂取できますが、農薬や化学肥料の使い過ぎで土壌のマグネシウムは作物まであまり届かず、現在の野菜の栄養価低下をもたらしています。
さらに、海藻離れ、小魚離れ、大豆離れ、加工食品の増加などが決定的となっています。
また、食品添加物の多くがマグネシウムを損失させます。
外食の多い人や加工度の高い食品に依存している人は、慢性的なマグネシウム欠乏に陥り、体内のすべてにおいて影響があるため、マグネシウム摂取を開始しても改善するのに時間がかかります。
有名なのは加工肉で使用されるリン酸塩です。
これはマグネシウムと結合力が非常に高いものです。
過剰な糖分からも多くのマグネシウムが取られてしまいます。
ある説では、グルコースの1分子を代謝するためには、少なくともマグネシウムの8~20分子を必要とするそうです。
過剰な精製糖質の摂取は避けるべきです。
他にも多くの医薬品はマグネシウムと結合します。
重金属曝露によるマグネシウム欠乏もあります。
水銀、銀、カドミウム、銅、鉛などが体内に多く蓄積されていると、マグネシウムの吸収が低下します。
まずはこれらをデトックスすることも大事です。
特に日本人には水銀やカドミウムの曝露が多いのが現状です。
逆にマグネシウムをしっかり保持している人はこれら重金属を解毒する酵素がきちんと働きます。
よってまずは重金属をデトックスし、その後マグネシウム保持が安定するようになれば、重金属曝露からも比較的逃れられるかもしれません。
他にも、インスリン分泌、骨粗鬆症、歯周病、筋肉痛、心疾患、などなど挙げればきりがないくらいに関わっています。
まずは、体内にマグネシウムをきちんと復活させ、亜鉛・鉄も取り戻し(または維持させ)、ミネラルのチームプレーを蘇らせましょう。