私たちは誰でもデトックス作用のあるタンパク質を持っています。このタンパク質は酵素の働きがあり、体内に蓄積した有害物質をキレートします。
このキレート作用のある酵素タンパク質の代表がメタロチオネインです。メタロチオネインはカドミウムなどの有害物質と結合し、無害化してくれます。メタロチオネインを構成するアミノ酸の1/3がシステインという解毒作用のあるアミノ酸のため、こうした作用があります。また、重金属解毒以外にも、金属代謝調節や活性酸素の消去能があります。その能力はグルタチオンの約400倍だそうです。
メタロチオネインは食事性の亜鉛摂取によって誘導されます。つまり、日頃から亜鉛をきちんと摂取しておくことでメタロチオネインが活性化され体内に蓄積された重金属を無害化できるのです。ただし、正確に言うとメタロチオネインは毒性を無害化できるものの、排出させる機能まではありません。
有害物質を排出させるにはいろいろな方法がありますが、代表的なものとして、小麦ふすま摂取における食物繊維によるデトックス、藻類に含まれるアルギン酸による吸着&体外排泄、ペクチン&アルギン酸の組み合わせによる解毒、ニンニクなどの硫化アリルを含んだ食品による解毒促進作用、ブロッコリーをはじめとしたアブラナ科に含まれているイソチオシアネートによる解毒促進などがあり、これらを上手に利用することでデトックスを完了させます。ちなみにニンニクにはカドミウムによって誘発される腎毒性を防いだり、ラット実験では鉛による酸化ダメージを減少させたり、鉛の濃度を低減させたことなどがわかっています。他にもパクチーなどが有名です。
さて、このメタロチオネインを活性化させる方法が他にもあります。実はファスティング(断食、絶食)がメタロチオネインを誘導することがわかっています(※8)。
マウス実験において、66時間断食させた後、肝臓におけるメタロチオネイン量が大幅に増加したことがわかっています。空腹になると、細胞内から細胞外のスペースに亜鉛が移動し、標的組織に取り込まれます。さらに絶食が続くと、亜鉛は増加していき、メタロチオネインと結合して酸化ストレスから組織を守っているそうです。
定期的なファスティングでデトックスたんぱく質を誘導し、蓄積された有害物質をキレート食品の利用によって、上手にデトックスしたいものです。