ヨーロッパ、特にフランスでは身体にいい飲み物として、乳幼児から妊婦、お年寄りまで飲まれているポピュラーなものなんだそうです。
コーヒーは好きだけど、カフェインの摂りすぎも気になる、という人にとって、チコリーコーヒーは、まさにうってつけかもしれません。
ちなみに、チコリーは、ヨーロッパ、西~中央アジア、北アフリカ原産のハーブです。
ヨーロッパなどではハーブ野菜として食され、ドイツでは薬効ハーブとしても使われています。
チコリはキク科で、フランス語ではアンディーブ(エンダイブとは別物です)、和名ではキクニガナ(菊苦菜)とも呼ばれます。
若い芽の部分の見た目は小さな白菜みたいでかわいらしいですが、そのミニ白菜の下にドーンと太い根っこがついていることからも分かるように、実はタンポポの仲間でもあります。
え、チコリーなんて全く知らないよ、という方、ポケモンの「チコリータ」は実はチコリーがモデルらしいですよ(笑)
ポケモン好きなお子さんが家にいたら、一度聞いてみてください。
チコリーのさらなる実力スペックを見ていきましょう。
1.消化器系を助ける
チコリーの最も有名な効能は、やはり消化です。
私たちの腸には、善玉菌や共生菌としての乳酸菌やビフィズス菌が棲んでいますが、これらは健全な消化を助けたり、、カンジダのような悪玉菌を抑え込んで私たちの免疫機能をサポートしています。
チコリーは、これらの善玉菌(プロバイオティクス)のエサになるプレバイオティクス、イヌリンを含んでいます。
イヌリンは水溶性繊維でどの植物にも含まれているものですが、チコリにはそのイヌリンがどれよりも含まれているのです。
イヌリンには体の酸性度を和らげる力がありますから、胃酸の逆流や未消化のような消化器系問題も改善します。
研究では、チコリが胆汁の流れを増やすことがわかっており、これが脂肪の分解を手伝って消化を助けます。
またチコリの根エキスは、胸やけなどの消化関係の不快感を和らげます。
2. ストレスの軽減
チコリの根の苦味成分にはメラトニンに似た鎮静作用があり、それが不安を和らげたり心を落ち着かせることができます。
これが、ストレスやフリーラジカルの発生など、体への危険な影響を軽減するのです。
また、神経系への抗炎症作用により、神経障害のある人には、チコリーが痛みを軽減することもできます。
チコリーはその鎮静作用により、睡眠導入剤としても使えますが、副作用がないため薬としての睡眠薬よりもずっといい自然の代替品となります。
ストレスや不安を軽減することはまた、心臓病、ホルモンの乱れ、不眠、早まる老化の可能性も減らすことにつながります。
3.抗炎症作用がある
チコリーにも含まれる植物性ポリフェノールには、その抗酸化力によって炎症を抑える力があります。
これは「どえらい」ことです。
なぜか、それは、「ほとんどの慢性病の根底には炎症がある」からです。
ですから、身体全体の炎症を鎮火できると、いろいろな健康問題がのちに起こってくるのを未然に防ぐことができるのです。
4.肝臓を守る
腎臓や肝臓は体の主な解毒関門として働いています。
チコリの根のここでの効能は、利尿と胆汁分泌を促すことで解毒機能をさらに強化することです。
古代エジプト人も、チコリを肝臓や血液を浄化するのに使ってきましたように、チコリは、何世紀も薬として(特に肝臓の解毒に)使用されてきました。
乾燥させたチコリの根は、黄疸などの肝機能障害を防ぐのにも使えます。
これはまた、胆石や肝臓内の石の治療に使えます。
これは、肝臓や胆のうからの胆汁の分泌を増やすことで、利尿と有害物質の排出を促進するからです。
5.糖尿病発症を防いだり遅らせる
糖尿病の管理や治療には多くの自然な方法がありますが、それは皆、食事から始まります。
チコリーは、その糖尿病用の食事プランに加える良い選択肢になります。
研究では、脂肪酸の分解と血糖値の統制を行っているアディポネクチンというプロテインの値が、チコリーの根エキスを取った被験者で著しく改善されたことが実験で分かりました。
これらの結果から、チコリーの根エキスがその多い食物繊維で便通を改善すると同時に、糖尿病の発症を早い段階で食い止めたり遅らせたりする、ということが証明されました。
6.リウマチの痛みを和らげる
チコリーの根は関節炎やリウマチのような関節疾患への効果的な治療法にもなります。
チコリーには抗炎症作用があるため、変形性関節症によって起こる痛みを和らげることがさまざまな研究で証明されています。
これは、痛み、筋肉痛、関節痛への一般的な抗炎症剤としても使えます。
7. 便秘を治す
チコリーの根は、ビタミンC、K、コリン、ベータカロチンが豊富です。
これは何度も言いますように、イヌリンという水溶性繊維を含んでいて、それが腸関連の疾患を防止するのに有効であり、便秘やその他の消化器系異常への素晴らしい治療法となります。
イヌリンは、腸内の善玉菌の成長を促進しますから、それが消化を良くして便秘を防ぎます。
8.心血管系の改善
チコリーの根はイヌリンを含みますが、それが消化器系への効能だけでなく、体の悪いコレステロールの量を減らすのも助けるのです。
LDLコレステロールはアテローム動脈硬化からの血管閉塞を引き起こす悪いコレステロールになります。
LDLコレステロールの量の増加は心臓発作や心筋梗塞のリスクを上げますが、チコリーに含まれるイヌリンは、LDLコレステロールの増加によって起こる血圧の上昇を防いでくれます。
9. 痩身効果
チコリーは、痩せるのに貢献できるイヌリンとオリゴ糖を含んでおり、それが身体の余分なお肉を落とすのに貢献できます。
チコリーはなんと、全植物の中で最もイヌリンを含んでいます。
イヌリンは水溶性食物繊維ですが、これは食欲を抑えるものとして作用します。
イヌリンは、血糖値を上げたりカロリーを加えたりすることなく、満腹感をもたらしてくれます。
この特性のおかげで、イヌリンを痩身に利用できないかという関心が集まっています。
植物におけるフラクトオリゴ糖の存在は、腸の善玉菌を元気にして、腸内細菌叢のバランスが整うのを助け、そうなると消化器系がきちんと機能するようになります。
この消化器系を正常に機能させることこそが、痩身へのキーなのです。
(一方、いくら低糖質パンを食べても腸内環境は良くなりませんね?)
10.免疫機能の強化
チコリーには抗菌特性と、免疫力を強力に底上げするその他多数の効能があります。
これは、さまざまな有害菌に作用しますし、チコリーの中のポリフェノール成分が抗酸化物質として働きます。
これらの植物成分が、ガン、特に乳がんや大腸がんを予防する力を持つとされています。
長くなりましたが、どうですか
これでもか!っていうぐらいのチコリ・パワーですよね(笑)
これはもう、飲まない手はないです。
実際私は、もうコーヒーからこちらに移行しました!
(幸い、まだカフェイン中毒ではなかったようです^^)
しかし、コーヒーに味がそっくりなのに、鎮静作用があって寝る前にも飲める、っていうのがすごいですよね。
これが、フランスや他のヨーロッパの国並みに日本でも一般化した飲み物になるといいなあと思います!