慢性疲労が引き起こす不調として、体力の低下、慢性的な喉の痛み、熱っぽい、筋肉疲労、筋肉痛、頭痛、関節痛、鬱、集中力の低下、睡眠障害、食欲の低下を感じる方が多いようです。
原因は色々あり、大きく分けて
・ 貧血
・甲状腺機能低下
・免疫力の低下
・食品アレルギー
・低血糖または高血糖
・不眠
・解毒機能の低下
・胃腸の問題
・ストレスと副腎機能の低下
などがありますが、たいていの場合複数の問題に起因しますから、慢性的な疲労を改善するにはトータル的なアプローチが必要です。
そして殆どの場合にストレスと副腎機能の低下が見られます。
副腎は腎臓の上に位置して非常に重要なホルモン、アドレナリンやコルチゾールを分泌しています。
人はストレスを感じると交感神経が刺激されアドレナリンが分泌されます。
交感神経はストレスや危険に対応するため急激な変化を体に及ぼします。
結果として、心臓の鼓動は早まり血圧が上昇。
皮膚への血流は低下し汗をかく量が増え、体温を低下させます。
脳、心臓、筋肉への酸素と糖分の供給量が増え集中力が増します。
呼吸は浅く、早くなり脳への酸素の供給量を増やそうとします。
胃腸器官は危険を乗り越える為に直接関係無いため、一時的に停止します。
そして血糖値は急激に上昇します。
ストレスが無くなると交感神経の働きは低下し次第に副交感神経のスイッチが入り、徐々に体はリラックスしてきます。
しかしストレスが長期化すると副腎は更なるストレスに対抗するためストレスホルモン コルチゾールの分泌を増産します。
コルチゾールはストレスに対抗するために必須なホルモンですがストレスやコルチゾールの分泌が長期化するとコルチゾールは体全体にダメージを与え様々な器官が疲労、機能低下をきたしてきます。
免疫力の低下させたり体重を増加させたり、筋肉疲労、糖尿病、高血圧、ガンなどの原因の一つとなったりします。
ストレスが慢性化すると副腎がコルチゾールを分泌させようとしても、過労した副腎は枯渇した状態に陥り十分なコルチゾールを分泌できなくなります。
そうなると、体は低血糖を引き起こしたり、朝起きるのが辛い、ストレスに耐えられない、病気がちで炎症がとめられなくなったり、痛みが増し、集中力と記憶力の低下、疲労感が増え、眠りたくても寝れない状態、仕事がはかどらない、エネルギーと栄養素が体にいきわたらない。
この状態を副腎疲労と呼びます。
副腎疲労の有効な治療法に一番重要なのは砂糖や甘いものを控えることです。
砂糖は一時的に血糖値を上げますが、その後低血糖を引き起こし慢性疲労を悪化させます。
その次にカフェインを控えることです。
カフェインは一時的に疲労を回復させてくれますが長期的にみるとカフェインの取り過ぎは副腎機能を低下させ慢性疲労を悪化させます。
食生活はバランスのとれたものを心がけえください、特にたんぱく質を必ず朝食にとるようにしてください。
たんぱく質を摂ることによって血糖値の上昇と降下を抑えることが出来ます。
また運動は辛くても続けてください。
軽度の運動はストレスの解消と疲労の有効な治療です。
簡単な体操や柔軟体操でかまいませんので毎日続けてください。
疲労を改善させる代表的な生薬に朝鮮人参がありますが、朝鮮人参は威力が強いので血圧を上げたり、イライラを悪化させたり、眠れなくなったりすることがあるので注意が必要です。
その他に慢性疲労の治療に有効な生薬にシベリア人参(Eleutherococcus)、インド人参が(Ashwagandha)、ロディオラ(Rhodiola)、甘草(Licorice)、マカ(Maca)があります。
甘草は血圧を上げることがあるので注意しながら使ってください。
副腎機能に必要な栄養素としてはビタミンC (一日当たり3000mg)とビタミンB5(一日当たり1500mg)、そのほかのビタミンB群、ミネラル。エネルギーの生産を高め代謝機能を上げてくれるものにマグネシウム(一日当たり500-1000mg)、コエンザイムQ10(一日当たり100mg)、ビタミンB12(一日当たり1000mg)があります。特にビタミンB12の筋肉注射は慢性疲労を短期間で改善するのに有効です。
副腎疲労に有効なサプリメント私が特にお勧めするのは動物の副腎そのものをサプリメントで取ることです。
サプリメントで取った副腎は一度胃で分解されますが、副腎の回復に必要なアミノ酸や栄養素が多く含まれています。
面白い実験ですが放射性マーカーを組み込んだ処理をした副腎を摂取すると、その放射性マーカーは摂取した人の副腎に集まるという実験結果が出ています。
このことから副腎疲労の方が副腎のサプリメントで取ることで副腎の回復に必要なアミノ酸や栄養素を効率良く摂取できると言えます。
副腎はレバー(肝臓)のように肉屋さんでは売ってませんので残念ながら食品として取るのは難しいです。
副腎のサプリメントで気をつけて頂きたい点は狂牛病(BSE)と残留物質です。牛の副腎を使用している場合は原産地に気をつけてください。残留物質は大きく分けると2つあります。
一つはコレステロールなどの脂肪分、もう一つはホルモンです。
DHEA、プログネノロン、コルチゾールが含まれますので、ホルモンに敏感な方はこれらの残留物を除去した副腎をお勧めします。
副腎疲労にはこれらのサプリメントで補うとエネルギーの回復が早く感じられますが、まれにエネルギーが高まりすぎてイライラが収まらない方がいます。
このような症状を感じた場合はサプリメントの摂取量を減らすことと、アミノ酸のL-チアニンが有効です。
L-チアニンは緑茶に含まれるアミノ酸で気分をリラックスさせることが知られています。
また副腎疲労にはサプリメントによる治療が有効ですが生活習慣を変えていかないと、サプリメントを摂り続けることになりますので、少しずつ生活習慣を変えていくように努力してください。
そしてストレスを上手に発散できるようにしてください。
日本人は性格上ストレスを溜め込みやすい国民性ですので頑張り過ぎないでホドホドを心がけてください。
ストレスの発散方法は人それぞれですがヨガ、ストレッチ、呼吸法などを上手く利用することでストレスを溜め込まないことができます。
ストレスは小さくても、溜まり続けると大きなストレスとなりますので、毎日の生活を見直すようにしてください。
慢性疲労の原因には深刻な病気や薬が原因の場合もありますので、慢性疲労が良くならない方は早めに医師に相談して原因を早く治療してください。