野菜や果物から栄養を摂る最もよい方法は、有機のものを、丸ごと新鮮なうちに頻繁に食べることである。
最終的に、それがより健康的だし、お財布にも優しい。1~2㎏の野菜は十分な量(=500mlのジュースを作るのに必要な量)だし、生の自然な形で食べれば数日以上は持つ。
ジューサーではなく、ブレンダーを使う。これだと、食物繊維も丸ごと摂れるし、無駄も出ない。
水を半分ほど入れ、切った野菜やその他の材料(生のショウガ、アーモンド、ターメリック、ビーツなど)を加えてスイッチ・オンにするだけ。たったそれだけだよ。私には、生の野菜を食べるのと同じこと。それはいわば大人の「離乳食」のようなものさ。
運動選手たちにとって、ジュースで最高の健康効果を得る、また太るのを避ける(そう、ジュースでも太るのです!)方法を知ることは大切です。
1. ジューサーでなく、ブレンダーを使う
2. 果物を入れすぎない
人がジュースを作るときに犯しやすい一番の間違いが、果物を入れすぎることです。
果物を搾ると、それは高濃度の果糖になります。液体は固体よりもずっと素早く消化されるので、この濃縮された果糖は体に入り、肝臓にその処理が任されます。果糖は遊離脂肪酸と超低比重リポタンパク・コレステロール、中性脂肪に変換され、それらは主に脂肪として貯蔵されます。
実際、消費された果糖カロリーの2/3は脂肪として蓄えられるのです。だからジュースに180カロリーの果糖が入っていたなら、そのうち120カロリーは脂肪として蓄えられます。加えて、作られた脂肪酸は肝臓と骨格筋に集められ、最終的にインスリン耐性につながっていき、やがてⅡ型糖尿病に発展します。果糖は、脂肪酸を中性脂肪に変えるのに使われるグリセロールに変換されます。
また、肝臓が果糖を代謝するとき、毒素や老廃物も同時に出ますが、それには血圧をあげて通風を起こす尿酸も含まれます。果糖のもう一つの問題は、それが筋肉ではなく、主に肝臓でグリコーゲンに置き換えられるということです。だから、あなたがカロリー不足の飢餓モードでない限り、果糖は筋肉で使われるエネルギーになるというよりは、体内で脂肪として蓄えられるのです。
3.ジュースレシピならどれでもいい、ではない
巷にはジュ―シングの本がたくさんあるし、レシピを書いたウェブサイトも探せばいっぱいあります。しかしながら、それらのほとんどが野菜とアルカリ性、またスポーツ選手への影響に焦点を当てていません。
もしあなたが中程度~かなりの激しい運動をする人なら、筋肉を使っているうちに、乳酸、ピルビン酸、二酸化炭素が蓄積します。 筋肉が酸性になると、あなたは疲労を感じるようになります。長いトレーニングやエクササイズをする間に、酸性度の上昇によって運動できる時間が短くなり、回復時間も長くかかるようになります。
ここでアルカリ性の環境があると、パフォーマンスを下げてしまう乳酸や他の酸の蓄積を防ぐことができます。健康的なアルカリ性バランスは体の細胞や組織のpHを上昇させ、酸を中和してくれます。
しかしながら、ほとんどのジュースレシピは、体内にアルカリ性を作り出さないフルーツを使っています。
▶ アルカリ性にしてくれる最も良いフルーツは : レモン、スイカ、メロン、ライム、マンゴー
▶ 一方アルカリ性の野菜は : ブロッコリ、ビーツ、キャベツ、カリフラワー、芽キャベツなど
▷ 避けたい果物と野菜は : チャード、コーン、クランベリー、デーツ、イチジク、グリーンピース、プラム、ザクロ、インゲン、トマト、ズッキーニ
これらは度数は違えど酸性に分類されます。
アルカリ性の食品を食べることで、アスリートは健康と良いパフォーマンスを維持でき、回復も早まります。また、酸性食品を摂りすぎることによる体への負担も減らせます。
4.脂肪とタンパク質も忘れないで
アスリートは健康的な脂質とタンパク質も必要です。
それらを十分に摂らないと、筋肉組織の故障、筋肉疲労、脂肪の蓄積、エネルギー不足、そして振るわない成績につながってしまいます。 しかしながら、ほとんどのジュースレシピには、脂質やたんぱく質になるような材料は入っていません。
実際市販のジュースやジュースレシピの中には、ご丁寧に低脂肪とか無脂肪だと書いているものもあるぐらいです。
それでも、体が脂溶性ビタミンA,D,E,Kを運ぶには脂質が必要です。脂質なしには、これらのビタミンの効能(骨や神経系の健康、ホルモン生産、細胞膜の形成、心拍数や血圧の制御、エネルギーの持続放出など)を享受することはできません。
一番良い油の選択として、チアシード、カボチャの種、ヘンプシード、エクストラバージン・オリーブオイル、未加工の生ココナッツオイルがあります。一般的に、種を30gかオイル大さじ1杯が推奨量です。もっと油を摂るなら、アーモンドやクルミを加えてもいいでしょう。マジック・ブレット®やフードプロセッサーを使うと、問題なく混ざります。
タンパク質(プロテイン)に関しては、オーガニックのビーガン・プロテインパウダーをお勧めします。ホエイや大豆のプロテインパウダーは避けたほうがいいです。
5.パフォーマンスを向上させるものを加えよう
数多くの研究で、生のビーツジュースが運動成績を上げるということが分かっています。
またビーツは、心血管系と生殖器系の健康に特に重要です。ですから、あなたのジュースレシピに生のビーツを加えてもいいかもしれません。
6.他の体にいい食品と共にジュースを楽しもう
食物繊維や健康的な油、タンパク質を含む食品を加えることは、食事が栄養的に完全にするだけではありません。
それはジュースからの糖吸収をゆっくりにしてくれます。こと、糖の消化に関しては、ゆっくりなほどよいのです。
ナッツ、ナッツ系バター、全粒穀物、グリークヨーグルト、アボカド、オリーブオイル、魚、そして丸ごとの野菜や果物はみな、フレッシュジュースの足りないところを補完してくれます。
◇野菜や果物の栄養を最高な状態で摂り込むには、そのまま食べるよりいい方法はない。しかしながら、忙しい現代人には、普段の食事から摂れていない重要な栄養素が一度にいろいろと取れる、ジューシングの意義はあると思う。
ただし、そのジュースは家庭でその都度作られるべきだ。その際は、有機の野菜や果物を丸ごと(食物繊維も入れて)使うこと。
◇小売店で売られている工場生産のコールドプレス・ジュースはその辺の濃縮還元ジュースやソフトドリンクと同じで、意味がないどころか体に良くないので買わないこと。
◇外のジュースバーで飲むにしても、果物が少なめの組み合わせを選んで、作られたらすぐ飲むこと。