テレビや雑誌ではいまだに動脈硬化の主原因としてLDLコレステロールが上げられ、通称・悪玉のコレステロールと言われ続けていますね。
しかし、正常なLDLコレステロールが血中で過剰になっても、動脈硬化を促進する泡沫細胞はつくられないということは既にわかっています。
この泡沫細胞をつくって動脈硬化を進行させるのは「変性したLDLコレステロール」であり、通常のLDLコレステロールとは異なるのです。
変性したLDLコレステロールにはいくつかのパターンがありますが、多くが酸化LDLコレステロールです。
酸化LDLコレステロールとは、血中や組織にある正常なLDLコレステロールが活性酸素に攻撃されてしまい、酸化されたものをいいます。
つまり、これは宿主である私たちの不摂生な生活習慣や食事内容そして栄養不足などによって起こる現象です。
LDLコレステロール値が高いこと自体は、多くの研究や疫学調査において問題ないとされています(むしろ低すぎる方が危険です。)。
しかし、あまりにも高すぎると活性酸素に出くわす機会が当然多くなるわけですから、できるだけ適正値に近い方が安心といえるでしょう。
(ただし、コレステロール降下剤はミトコンドリア機能に障害を与え、その副作用が問題ですので、これは安易に服用すべきではありません。)
あまりにも高すぎたLDLコレステロールを適正値までに下げる場合は、ナイアシン(ビタミンB3)が最も効果的です。
ナイアシン摂取により、過去の研究を平均すると、LDLは約30%も下がり、HDLは約35%上がります。
さらに中性脂肪は最大55%減少するという傾向があるそうです。
(ただし、患者さんにここまで顕著に現れるのは食事性よりもサプリ投与のときです。)
さらに、ビタミンCが有効です。
ビタミンCは血中に過剰となったLDLを集め、肝臓で胆汁酸に変換させることのできる栄養素です。
コレステロールを胆汁酸に正常に変換することで、過剰コレステロールを適正量まで減少させることができます。
ただし、このときの酵素は鉄に依存していますので、鉄不足の状態では多少困難といえるでしょう。
胆汁酸は肝臓から胆のうへと送り込まれ、ここで胆汁となります。
胆汁は腸管循環というリサイクルシステムにより再び腸で吸収され、二次胆汁が生成されます。
二次胆汁があると新しい胆汁の生成が促進されないため、再びLDLコレステロールが過剰になるかもしれません。
さらに、二次胆汁は腸内細菌により発がん性物質へと転換されます。
そこで水溶性食物繊維の摂取が有効です。水溶性食物繊維は二次胆汁を排泄促進させ、新しい胆汁を生成させるのに役立ちます。
最後にビタミンEです。
何度も言うように、悪いのはLDLそのものではなく酸化LDLです。
LDLの酸化を防ぐには、ビタミンEが最も重要です。
この場合、ビタミンE濃度に比例して、酸化を防ぐことができます。
ビタミンEはどうしてもd-α-トコフェロールばかり注目されますが、どの種類も重要でそれぞれ役割があります。
動脈硬化の原因の一つ、酸化LDLの予防は以上のようになビタミンに効果があります。
ぜひ、日頃の食生活にこれらのビタミンを意識してみるといいでしょう。(ミネラルではマグネシウムが有効です。)
コレステロール=悪は嘘だった! コレステロールを制限するのは超危険! 低下剤は糖尿病など生活習慣病リスクを高める!
コレステロール値が高いため、医師から生活習慣を見直すようにと指導されている方が少なくありません。
大抵の方は塩分やコレステロールを制限しようと食を改善します。
しかし、塩分やコレステロールを制限しても、コレステロール値が思ったように改善されません。
低下剤は効果は高いですが、常用すると様々な症状を引き起こす原因になります。
実は、血糖値やコレステロール値を改善するには、糖質を制限したほうがはるかに良い効果が期待できます。
また、マーガリンなどは植物性油の割合が非常に高いことから、体を蝕むので控えたほうが良いでしょう。
コレステロール制限は人体に超危険! 高いほうが長寿命、低下剤は糖尿病等のおそれ
食事内容によって、体内のコレステロール値が大きく変わることはない。
動脈硬化の原因になるなどと嫌われ者になっているコレステロール対策として、動物性のバターより植物性のマーガリンのほうが体に良いと信じ込んでいる人はまだまだ多いようですが、それは間違いです。
コレステロールが多いことを理由に、卵や肉、イクラやタラコなどを我慢する必要はないのです。
脂肪酸の一種であるコレステロールは、重要な栄養素で、細胞膜、ホルモン、胆汁酸などの材料となります。
体内コレステロールの3割は脳に存在し、コレステロール低下は健康を害します。
血中コレステロールの7~8割は肝臓など体内でつくられ、卵や肉などコレステロールの多いものを食べた時には生成が少なくなり、コレステロールの少ない食事の時は体内生成が増えます。
体内のコレステロールは常に適量になるように調整されているのです。
こうしたことから、去年発表された厚生労働省の食事摂取基準では、コレステロールの摂取基準値が撤廃され、動脈硬化学会も「食事で体内のコレステロール値は大きく変わらない」と声明を出しました。
つまり、食べ物に含まれるコレステロールは、さほど気にしなくていいのです。
コレステロールの誤解はこれだけではありません。
興味深い研究が発表されました。「コレステロール医療の大転換」と題した日本脂質栄養学会主催のシンポジウムです。
コレステロールは動脈硬化の原因になるとして、基準値を超えると投薬などで低下が図られますが、実はそうした治療には意味がなく、そもそもコレステロールは高いほうが長寿命であることが真実だと証明し、広めるために開かれました。
3名の専門家による講演のタイトルに、このシンポジウムの趣旨が表れています。
・「コレステロールは高い方が死ににくい」 浜崎智仁(富山大学名誉教授)
・「コレステロールが高い人低い人、どこが違うのか」 板倉弘重(茨城キリスト教大学名誉教授)
・「コレステロール低下剤と植物油が心疾患や糖尿病を発症させる機構」 奥山治美(名古屋市立大学名誉教授)
どの講演も数々の研究と大規模調査の解析を基に発表されており、これまでのコレステロール認識を覆す大変興味深い内容でした。
なかでも「このシンポジウムのねらい」として、スタチンなどのコレステロール低下薬でコレステロールを低下させると、かえって心疾患や糖尿病の原因となり危険であることを広めたいと訴えています。
こうした情報は、まさに「テレビでは公表されない重要な情報」で、知らなければ寿命を左右するだけでなく、国民医療費の無駄遣いにも関わってきますので、適切で早急な対策が必要です。
国内市場が2700億円といわれる製薬会社の利益より、国民の健康を優先するべきです。
また、奥山治美氏の講演で植物油の害の指摘もありました。
間違ったコレステロール対策として動物性の油よりサラダ油やキャノーラ油など植物油の使用が、スタチンの副作用と同じように動脈硬化、糖尿病、内分泌かく乱、腎障害などを発症させているのです。
したがって、コレステロールを気にして卵を避ける必要はありませんが、マヨネーズは卵が原料とはいえ植物性油が70%を占めますので、動脈硬化予防のためにも控えるべきです。
コレステロール対策として、サラダ油やマーガリンなど植物性の油を使っている人がいると思いますが、やはり植物油はとても危険なのです。
現代の日本人は、多くの病のリスクに直面しています。 特に深刻なのが「がん」です。
日本人の約2人に1人が何らかのがんを患い、3人に1人ががんで命を落としています。そして一般的な抗がん剤治療や放射線治療では、完治は困難をきわめるというのが現在の医療界の状況です。
しかし、実は日本人のがん治療がなかなか成功しない一因に「日本人特有の食生活」が大きく影響していると考えられています。
日本人は「1日3食しっかり食べる」ことを教えられて育ってきました。そして、その3食の食事の中心にあるのは、ご飯やパンなどの炭水化物です。
しかし、これは明らかに糖質の過剰摂取になります。糖質は、人の運動に必要なエネルギーです。
しかし、あなたが肉体労働をしていたり、スポーツ選手でない限り、一般の方が日常生活を送る上では大量の糖質は必要ありません。
むしろ、過剰に摂取した糖質は「害」でしかありません。過剰に摂取した糖質は、体内に蓄えられ、脂肪になるだけです。
がんだけでなく、糖尿病や高血圧、梗塞や心筋梗塞のリスクを高め、肥満になる原因になったり、集中力の低下など脳の機能を低下させます。
また、糖質を制限することによって、精神も安定します。
炭水化物は交感神経を刺激し、緊張状態をつくり出します。これがイライラや短気、精神不安を呼び起こすのです。
イギリスの刑務所では、この考え方を応用し、刑務所内で頻繁に暴力事件が発生したときに受刑者に与える食事から炭水化物を抜いたところ、
暴力事件が劇的に減少したという報告があります。
そして、この病気になりにくいカラダをつくる食事法を提唱・普及しているのが「末期のがんも副作用なく治療する病院」ハタイクリニックの院長を務める、西脇俊二氏です。
戦後の20年間で日本人の寿命は飛躍的に伸び、1965年には世界一の長寿国になりました。
その原因は、今では意外なことかもしれませんが、肉食だそうです。
それまでの日本は脳卒中天国であり、脳卒中が日本人の平均寿命を下げる最大の原因であるとされてきました。
ところが、なんということでしょう。
脳卒中の予防に肉食が効果を発揮して、平均寿命が大幅に伸びたと言われています。
すなわち、肉も魚も野菜も米も食べるようになって、日本人は世界一の長寿国になりました。
肉食を避けることが脳卒中予防になると言われてきましたし、今も言われています。
しかし、実は必ずしもそうではないようです。
コレステロール値が低いと細胞膜のコレステロールが少なくなって血管が弱くなる。
従って、コレステロール値の低い人の方がむしろ脳卒中にかかりやすいのではないか。
そんなことが言われるようにもなりました。
以下は、それを推測させるデータです。
・外国人と混血しなかったハワイの日系人は長寿として知られている。
その日系人8000人を対象に調査した結果、コレステロール値が低いほど脳卒中の死亡率が高く、コレステロール値が比較的高い240~269mg /dlのグループの死亡率が一番低かった。
・1960年代に秋田県で脳卒中が多発した。
調べてみると、コレステロール値が150~160と低いことがわかった。
そこで、地元の人たちに食べているものを聞いてみたら、肉はほとんど食べず、米や大豆や野菜中心の食生活だということがわかった。
1975年頃になると、秋田県にも肉食が増えたためか、コレステロール値が170~180に上がった。
結果、脳卒中が半減した。
菜食主義は肉を禁じて粗食を薦めるものです。
菜食主義者は「どの民族も先祖が食べてきたものを食べるのがベストである」と語ります。
そして、「北極圏のイヌエットは野菜はほとんど食べず、アザラシやシロクマの肉を食べている。パプアニューギニアの高地に住む人たちは主にさつまいもを食べ、他のものはほとんど食べない。しかし、みんなが健康に暮らしている。これは生まれ育った土地の人たちの食習慣を受け継いでいるからである。それに比べて、日本は稲作国家なのだから米を食べるべきなのに、別の国の伝統食を採用してきた。慢性病患者が増えているのはそのためである」と続けます。
しかし、これはどんなものでしょうか。
縄文時代の貝塚からは獣や鳥の骨がたくさん出土しています。
当時の人たちは狩猟して肉も食べていました。
肉食が禁じられたのは、仏教が入ってきて、大和朝廷が殺生禁止令を出した時からだと言われています。
そうであれば、日本人に肉食は合わないとは言えません。
余談ですが、日本人の食生活は言われている程、欧米化している訳ではありません。
欧米人が1日に摂取するエネルギー量は3000キロカロリー超です。
それに対して、日本人は2000キロカロリー程度です。
アメリカ人は1日に140グラムの脂肪を摂取していますが、日本人は60グラムです。
食べるものの種類が増えたためか、一見欧米化しているように思われますが、実はそれほどでもありません。
意見は様々です。
菜食主義も肉食主義も長所と短所があるのでしょうが、とりあえずの結論としては、月並みですが「肉も魚も野菜も米も食べるのがよい」ということになりそうです。
それを実践している日本人の長寿が、その有力な証拠ではないでしょうか。
問題の根本に対処せずコレステロール降下剤を使うと、身体の自然治癒能力に影響が出るばかりか、副作用の影響も。 平均的なコレステロール値と健康に良いコレステロール値は違う。
問題の根本に対処しないままコレステロール降下剤を使おうとしている方、身体の自然治癒能力に影響が出るばかりか、副作用に悩まされることになりますよ。コエンザイムQ10が不足し、疲労感、筋力低下、痛み、最悪の場合は心臓発作に至ります。
研修医を終えて開業したての80年代半ば、すでに予防医学に興味を持っていた私は、診察する全ての患者さんのコレステロール値を測定していました。コレステロール値が高い方がたくさんいたのを覚えています。
ですが、患者さんの多くが、昔なじみの医者にも診てもらって(私はまだ新参者でしたので)、正常値だと診断されるのには驚きでした。
さて、問題は「正常値」の範囲なのですが、紛らわしいことに、正常と呼ばれている値は、主に病気の人の平均値なのです。
平均的なコレステロール値と健康に良いコレステロール値は全く別物であることを理解してください。体内ビタミンD値についても同様の問題があります。
コレステロールについては、真反対に見解が変わり、現在では低過ぎる値が推奨値とされているのですが、これは主に製薬業界の影響によるものです。
製薬業界はコレステロール降下剤のマーケットがいかに巨大になるかをいち早く察知しました。継続して服用する必要があり、短期の連用で死に至るほどの毒性はない薬剤が見つかったのです。
コレステロール降下剤(スタチン製剤)は、年間に何千億ドルもの利益を上げています。
さらに、医療の専門家への市場開拓を進め、そこから政府機関に働きかけ、医学界全体に推奨、採択されるに至ったのです。
2004年以前は、LDLコレステロール値が130の場合は健康体とされていました。現在の指標では、推奨値は100以下で、高リスク患者の場合70未満です。
この危険なまでの推奨値を達成するためには、複数のコレステロール降下剤の力を借りるしかありません。ガイドラインの変更によって危険な薬剤の市場が膨らんだのです。
コレステロール値については、真実が知らされていないことを知っておいてください。一般的な医師の見解は、都合良くゆがめられた市場開拓の延長線上にあるものです。
コレステロールは、生体が持つ様々な機能に欠かせない成分です。
細胞膜の主成分であり、ビタミンDなどのステロイドホルモンの前駆物質(原料)です。皮膚にもコレステロールが含まれます。紫外線B波を浴びると、コレステロールはビタミンD3に変換され、血中に取り込まれます。それから、活性ビタミンDへと変換されます。
それだけではありません。コレステロール値が下がり過ぎると、体内で様々な問題が発生します。
コレステロールは脳の健康にも欠かせません。記憶の形成にも関わっており、神経機能にとっても欠かせません。記憶障害などの数多くの神経系の問題と低コレステロール値との関連性が指摘されています。
このように健康に欠かせないコレステロール値ですが、低過ぎると起こる問題をご紹介します。
・うつのリスクが増加
・自殺のリスクが増加する恐れ
・暴力的言動の可能性
・ガンのリスクパーキンソン病のリスク増加
個人的には、330を越えれば高いと判断します。コレステロールの代謝に異常があるかどうかの判断基準として有用なのは、HDL(善玉)コレステロールと総コレステロール値の比率です。
HDLの割合は心臓病のリスクが増加する要因となります。
HDLの値をコレステロール値で割った値が25%より上が理想的な値です。一般的には比率が高いほど良いのですが、善玉コレステロール値が高過ぎるとどんな副作用があるのかは知られていません。
比率が15-20%の場合は心臓病のリスクが高め、10%より下の場合は心臓病のリスクが非常に高いと分類されます。
幸い、コレステロール値をコントロールできる、簡単で基本的な対策があります。食事からのコレステロールの摂取を抑えても、あまり効果的な対策ではありません。
コレステロールの75%は肝臓で産生されるためです。
肝臓の機能はインスリン濃度に左右されます。ですから、インスリンの値を調整できればコレステロール値もコントロールできるということです。
最も効果のある方法は、運動と食事に気を付けることです。インスリン濃度を上昇させる食事は、肝臓でコレステロールの生成を促し、コレステロールの上昇につながります。
コレステロール値をコントロールするための安全でお勧めできる方法をご紹介します。
・適度に運動する。
・穀物や糖分を減らし、最終的には摂らないようにする。
・ご自身の栄養パターンに合った食品を食べる。
・生で食べる割合を増やす。
・良質な動物性のオメガ3脂肪酸を摂取する。クリルオイルがお勧め。
・喫煙、お酒は控えめに。
・気持ちの面でのトラブルに対処する。
これまでに2-3万人の患者さんを診てきましたが、こちらにご紹介した方法で効果の出なかった人が5人だけいました。その患者さん達は、遺伝子の異常による高コレステロール血症でした。
非常にまれなケースで、発症するのはコレステロール降下剤を服用している患者1000人に1人の割合です。その場合はスタチン製剤の効果が期待できるかもしれません。
赤米のエキスの効果をお尋ねになる患者さんがいますが、これについては誤解があるようです。赤米のエキスもスタチン製剤の一種です。
肝臓からの酵素の分泌を減らすので、コレステロールだけでなく、コエンザイムQ10の生成も抑えられます。コエンザイムQ10が減ると、他の問題が起こります。
考えられる副作用には、例えば早老があります。コエンザイムQ10はビタミンCやビタミンEなどの抗酸化物質を再生させるのに必要だからです。
コエンザイムQ10が不足するとDNAの損傷にもつながります。ですので、スタチン製剤を服用するなら、必ずコエンザイムQ10を補充してください。この事実を患者さんに伝えない医者がほとんどです。
40歳以上の方には、CoQ10の誘導体であるユビキノールは吸収されやすいのでお勧めです。