恋愛関係や夫婦関係においては、実に様々な問題が生じます。
上手く話し合いで解決できれば良いのですが、そこはお互い人間同士。
ついつい感情的になってしまい、ケンカに発展してしまうこともあるでしょう。
ケンカはお互い後味が悪く、気まずくなるもの。
そればかりか、破局や離婚にまで発展してしまうことすらあります。
でもケンカを予防する術を知っていれば、お互い仲良く過ごしていけることでしょう。
恋愛関係でよくあるトラブルとして、価値観の違い、金銭感覚の違い、趣味の違い、家庭環境の違い、考え方の違い、男女トラブルなどがあり、これがケンカの元となります。
夫婦関係においても、「夫が育児を手伝ってくれない」とか、「妻が家事をしてくれない」などでケンカになることってありますよね。
ケンカが起こる原因というのは、お互いの考え方の違いがベースにあります。
男女とも、自分は正しい、相手が間違っていると考えるから意見が対立し、ケンカとなります。
でも、相手からすれば、「お前が間違っているのに認めようとせず、正しいはずの自分を非難するなんておかしい、自分の意見は絶対に譲れない」となり、お互いに譲らないからケンカとなるのです。
ケンカを防ぐ術として、言葉遣いに気を付けるだとか、いったんこっちが折れて相手の怒りが収まるのを待つとか、いろいろ言われていますけど、これは全部間違いです。
というより、それでケンカが防げるなら、みんな苦労しないよって話です。
そんな話をするほど、僕は退屈な人間ではありません。
そもそも人間というのは、自分の考えが正しいと思っている生き物です。
自分の中に正誤の価値基準があり、善悪の価値基準があり、その基準に疑いを持っていません。
そういう生き物なのだから、そこを変えようとしてもムダ。
変えるべきは相手の価値観ではなく、発想です。
例えば「夫が育児を手伝ってくれない」という問題について考えてみましょう。
妻側からすれば、「夫は育児を手伝うべき(=本来あるべき正しい行為)なのに、手伝ってくれない(=やるべきことをやらない悪い奴)」と、育児の手伝いを求める自分が正しい、育児をしない夫は間違っていると考えます。
しかし夫側からすれば「育児は本来妻がやるべきモノ(=自分は本来育児をする義務はない)なのに、育児をしない自分が怒られる(=育児をしない自分は正当であり、それを非難する妻が間違っている)なんて理不尽だ」と考えています。
これでは一向にケンカばかりで解決しません。
ケンカするのはお互いに自分が正しいと考えていて、間違っている相手を変えようとする(もしくは間違いを認めさせようとする)から。
これを突き詰めて考えれば、自分が正しいという前提があるから、ケンカになるのです。
ケンカの相談だって、第三者に自分がいかに正しいか、相手がいかに間違っているかを理解してもらおうとしているだけ。
だからいくら相談しても、解決しないのです。僕は時間の無駄が嫌いなので、こういう考えそのものを変えるべきと提案します。
つまり、自分の考えは正しいとか間違っているとかではなくて、自分の(相手に対する)要求であるということ。
同様に相手が自分を非難するときは、相手が正しいか間違っているかではなくて、相手の要求にどれだけ応える用意があるか、という考えをすべきなのです。つまりは、交渉事だと考えようということ。
ケンカではなく交渉であるのなら、話し合いの余地はあります。
相手の非を非難するのではなく、相手にどれだけ譲歩させるか、そこに集中すべきでしょう。
育児を手伝って欲しいと妻が願うなら、手伝わないことを非難するのではなく、どのくらいのことなら手伝ってもらえるのか、粘り強く交渉すべきなのです。
考えてみれば、お互い人間なのですから、完璧なはずはありません。
自分だって間違うのだから、相手ばかりを非難するのはお門違いです。
そもそも絶対に正しいとか、絶対に間違っているとか、そんなに単純に物事って見れないのが普通です。
それを自分の価値判断を絶対に正しいとして譲らないからこそ、相手も譲らなくなってケンカになるのです。
自分の意見と相手の意見が違うのは当たりまえ。
相手を変えようとせず、相手を否定せず、相手のプライドを傷つけずに、自分の意見を聞いてもらえるように、頑張って交渉しましょう。
100%自分の意見が通らなくても、60%通れば上出来と考えることができれば、ケンカすることも無くなることでしょう。