ミネラルの補給はいつがいいか
日本には四季があり、降雨量もきちんとあるため、資源が豊富です。
このような恵まれた環境に囲まれて、素晴らしい島国ではありますが、短所もあります。
それは土壌や水にミネラルが少ない事です。
特にマグネシウムの少なさは顕著だといえます。
ヨーロッパの水は、石灰岩の地層をゆっくりと通過するという自然の仕組みがあるため、マグネシウムなどの濃度が高いのですが、日本はそうではありません。
よって、日頃からマグネシウム含有量の多い食品を意識して摂取することが大切です。
日本人は昔から海藻類を常食し、海藻を消化できる腸内細菌群を保持していますので、海苔や昆布など日頃から食卓に並べて欲しいと思います。
しかし、食事だけではなかなか必要量が摂取できない人は、にがり(塩化マグネシウム)やサプリメントなどを利用して補っている人も少なくないでしょう。
ところが、マグネシウムをはじめとしたミネラルはアルカリ性の性質をもつものが多いため、サプリメントやにがりを一気に摂取しようとすると、胃酸の一部を中和してしまう恐れがあります。
日本人はそもそも低胃酸の人が多いため、食事中やその前後に大量のマグネシウムを摂取してしまうと、低胃酸にさらに追い打ちをかけて、消化に悪影響を与えてしまう可能背があります。
そこで、にがりやマグネシウムサプリは、食事の時間とは関係のないときに摂取することをお勧めします。
つまり、食間です。
さらに、体内のマグネシウムが最も欠乏するのは、早朝と夕方のため、こうした服用や摂取は朝や就寝前などがよいという見解もあります。
しかし、あまり厳格になりすぎると、継続ができない可能性がありますので、できる範囲で行えばいいと思います。
また、マグネシウムは経口摂取ではなく、経皮吸収も効果があります。
専門家によっては経皮吸収の方が吸収率が高いとする人もいます。
お風呂にエプソムソルト(硫酸マグネシウム)を溶かして入れてもいいと思いますし、マグネシウムはオイルと親和性が高いので、マグネシウム・オイルスプレーを利用して、局部にスプレーするのもいいでしょう。
にがりの記事を書くと、決まって、「にがりを飲むと凝固作用によって内臓が固まり、悪影響を及ぼす」などという人が出てきますが、まずありえません。
マグネシウムのイオンを利用した豆腐のゲル化と、タンパク質の凝固作用(変性)は全く別ものです。
この迷信の発信元を調べていくと、たいてい伝統製法で生産された塩を売りたいがための一部の業者による煽り文句に行き当たります。
根拠のない悪質なデタラメです。
もちろん、どんなものでも用量を守って、それ以上の大量摂取はしないことです。
しかし、仮ににがりを大量に摂取してもひどい下痢が起きてしまうだけで、腎機能が正常であれば基本的に速やかに排泄されます。
ただし、腎不全や糖尿病患者さんの場合、過剰摂取をすると高マグネシウム血症に陥ることもあるようですが、それでも稀です。
高マグネシウム血症の原因のほとんどが治療薬による医原性のものです。
一時、にがりの原液を過剰摂取したために救急で病院に運ばれた人がいたと言う報告がありましたが、その方は慢性腎不全であったこと、さらに服用したものはカルシウムを大量に含んだ人工調整のにがりだったそうです。
それだと、さすがに調子が悪くなるはずです。
以上より、にがりに関する悪質なデマが広がっているみたいですが、誇張しすぎです。
そして、上手な摂取&吸収は食事以外の時間でこまめに摂ることです。
お茶や水などに数滴混ぜて試してみてください。