私も,医師とかなりの時間と回数を使って向き合ってきております。
それは,当然のことですね。
その上で,自分自身の免疫力を上げることで,この病を治そうと決意し,こちらの会にも参加させていただいたわけです。
その自己紹介の際,切らずに治すことを表明する挨拶をさせていただくと,谷口さんからも,とても丁寧でお優しいコメントをいただくことができました。
が,その上で,やはり,ここでも標準治療を強く勧められたことを今でも良く記憶しております。
他の何人かの方からも,同様の内容のものが寄せられました。
それを読み,患者としての私は,ああ,切らなければならないのか。
そうすると,自分の体の一部を失い,自分自身の手で排便することもできなくなるなぁ。
転移も,考えなければ・・・。
とまた,医師とのやりとりの中で起こった悶々とした迷いと苦しみを,わき上がらせたものです。
しかし,そこから,夏が過ぎ秋もあっという間に通り越し,何ヶ月が経ったでしょうか。
私は,あの,初めに決意した思いのまま,いわゆる標準治療と言われるものは一切行わず現在に至っています。
そして,10月ぐらいになりますね,一時は,「下血」と「ひどい痛み」と,便がなかなか出ない故の「頻便」(ウサギの糞のようなものがころころ。
それくらい出口が狭まり出すのが辛いという状況で,一日中便器のところで唸っておりました。)という苦しさを味わい,深刻に悩む日々を繰り返しましたが,今では,ガスも便もとてもスムーズに出せる状況にまでなっています。
実際の物理的な証明は,また,この後の内視鏡検査に任せたいと思いますが,体からの声を敏感に感じ取りながら努力を重ねてきた感覚からくるものだからこそ,腸の機能は確実に回復してきているという確信に至っているところです。
その上で,個人の見解というレベルで言うならば,谷口さんは,標準治療と代替治療で改善を図られている。
私は,免疫力を上げる方法により改善を図っている(保険は一切使わず全て自力で,ということです),ということで良いと思います。
誰しも,本当のことは,自分のことしか語れませんから。
後は,全て,読んだことか聞いたことで得たものであって,そこからの判断は本人自身が,できうる限りフラットな状況で行えるようにさせなければならないものです。
そして,情報を提供する立場となれば,さらにそれは,正確さを求められ責任は重大なものになるのは,自明のことです。
しかも,管理人というお立場でいらっしゃるのであれば,なおのことです。
これが,本当の善意というものではないでしょうか。
常日頃から,ご自身でもおっしゃっているように,情報の作為的な出し方というものがあってはなりませんね。
ところが,この本に関しても,著者は医師ではないから云々,かなりの論を張って批判をされています。
余程の方で無い限り,太刀打ちはできませんね。
しかし,「劇的な寛解」をされた患者さんがいらっしゃることは事実です。
そして,ここで紹介されている患者さんのうち,日本人の方(シンさん)は,標準治療を受けられているとおっしゃいました。
その通りですね。
しかし,実際には,どう書いてあるかと言えば,右の肝臓の全摘です。
しかし,それでも,その時の医師は本人に告知は行わず,「腫瘍の細胞が広がらないよう,特別な注射をします」と言い,強力な副作用をもたらすと言われている抗がん剤(シスプラチン)を打っているのです。
それは毎日,二週間続き,シンさんは「強烈な薬ですね。
先生,この薬の名前は何というんですか?」と何度も聞きました。
でも医者は「君は神経質だね。そんなこと知らなくていいんだよ。
悪いようにはしないから」と言うばかりだったそうです。
この「強い注射」が終わると,医師はシンさんに「今度は高エネルギーのベータ線治療をします」と言い,放射線治療を三十回受けさせたそうです。
しかし,その三大治療の結果はどうだったでしょう。
癌は,右肺と直腸に転移し,医師は妻に,余命数ヶ月の宣告をしました。
そして,こんなにもずたずたにされ,この病院を追い出された後,シンさんの,劇的な寛解は始まったのです。
谷口さんは,この著者の書きぶりについて,巧妙に結論に結びつくように仕組んでいると言いますが,それこそ,あなたの情報の出し方の方が,自分の主張に都合のいい部分だけを切り出して批判しているように思えますが,如何でしょうか。
事実は,何人たりとも歪めることはできませんね。
この著者は,腫瘍内科学領域の研究者として,ハーバード大学時代に統合医療に関心を持ち,その後,カリフォルニア大バークレー校で博士号をとり,1000件以上の症例報告論文を分析し,また,1年間かけて世界10カ国に出かけ,奇跡的な生還を遂げた癌患者と代替治療者を対象に,インタビューを行ったそうです。
つまり,ここに載せられている話は,著者自身の論というより,患者自らの話から得られたことをまとめあげただけ,と言った方が正確だろうと思います。
そこに,医師であることに,どれほどの意味があるでしょうか。
誰が書こうと,事実に変わりは無いのです。
また,反抗がん剤マフィアという表現をされる方もいられます。
しかし,私から見れば,それも反反抗がん剤マフィアのように映ります。
反抗がん剤マフィアの論拠を打ち崩すまでの根拠を提示されていないからです。
もう一度申し上げます。
三大治療に頼らぬ寛解の実績は0ではないということ。
これは,論理として,とても重要なことで,なぜなら,それは,完全に否定することはできないということになるからです。
逆に,三大治療の後,残念ながら亡くなられている方も大勢いらっしゃいます。
つまり,こちらも完全に肯定することはできないということになります。
つまり,その白黒は付けられないということです。
ところが,一方の立場からまず始めることを勧め,もう一方の考え方や治療法に導く論説に対しては,危険であると攻撃する表現を行う。
しかも,相手の居ない場所で。反論の余地もありませんね。
また,この本で言えば,これを手元にもっていらっしゃる参加者の方ばかりではありませんから,真偽の如何の確かめようがないのです。
しかも,管理人というお立場で。
これはいかなるものなのかと思うのは,私ばかりなのでしょうか。
以上,長々と書き綴りました。ここまで,ご一読いただいた皆様には,心よりお礼申し上げます。
但し,何事も真偽のほどは,きちんとご自身の眼でお確かめいただくことを大事になさっていただきたいと思います。
そして,そのためには大変な労力が必要となることもご承知いただけていると思います。
現在の治療を行っていただいている主治医とも,当初,どれほどの激論を重ね,試行錯誤を繰り返し,自分の中で検討を加えたことか(笑)
真実は,本当に一つ一つ,自分の手でたぐり寄せようとしない限り見えてきませんね。
命をかけていることなのですから,その程度の労力を払うことは当たり前です。
私の治療の仕方も,それこそ,そういった過程を経て行き着いたものであることを,最後にお伝えしておきます。
ありがとうございました。