私たちのからだは、100兆個の細胞で出来ています。
細胞は毎日新陳代謝を繰り返し、ほぼ3か月で新しい細胞(筋肉、血管、骨)に生まれ変わります。
その細胞やホルモン、血液は全て食べ物から作られています。
私たちのからだは、毎日何を食べ、どの様な食べ方をするかで大きく変わります。
加齢の速度、免疫力、肌の状態、体型が食によって変わるのです。
生活習慣病、ガン、認知症、介護を未然に防ぎ、健康で長生きするためには、食事がまず基本です。
健康長寿のための食生活 7つのポイントを解説します。 (カーソルを各々にあわせて、クリックしてください)
(1)食べ過ぎない
<食べ過ぎの弊害>
(1)毒素がたまり、その毒素が、体の細胞を酸化させる。
消化には限界があるので、食べ過ぎると、食べ物が充分消化出来ず、腸の中で腐敗します。
食べ物が腐敗すると、からだの中に毒素が溜まり、その毒素が、からだの細胞を酸化(=細胞を傷つける)させます。
ガン、生活習慣病(糖尿病、動脈硬化、脳血管疾患、心疾患)、認知症のリスクが高まります。
(*)おなら、便が臭いがきつい方、 便秘、下痢気味の方は、食べ過ぎです!
(2)過食は消化酵素を無駄遣いする。
私たちは毎日、消化酵素と代謝酵素を作っています。
ただし、私たちが毎日作れる量には限界があります。
食べ過ぎると、消化酵素を作るのに一生懸命となり、結果的に、代謝酵素が少なめになってしまいます。
代謝酵素が少ないと、疲れやすい体質になってしまいます。
<食べ過ぎない、腹8分、カロリー制限のメリット>
・血圧、血糖値、中性脂肪、コレステロール、体脂肪率が改善できます。
・カロリー制限すると、血中のNADが上昇し、長寿遺伝子SirⅡを活性化しますので、遺伝子の連結が強化されます。
・遺伝子が傷付きにくくなる為、細胞を若返らせ、老化を防ぎます。
(2)1日30品目以上摂取
私たちは、食事から様々な臓器、血液、ホルモンを作り出しています。
食事の栄養素が偏ると、消化がうまくいかず、栄養がからだに吸収されにくくなります。
栄養素は、3大栄養素だけではなく、ビタミン、ミネラル、食物繊維、フィトケミカルも必要です。
様々な栄養素をバランス良く摂取するために、1日30品目以上の食材を摂る様に心掛けましょう。
<1日30品目以上摂取するための事例>
◆外食するときは、牛丼など単品ではなく、定食など多くの食材を摂れるものにする。 おかずを追加する。
◆ご飯を炊くときに、雑穀を入れる。
(玄米に、小豆、黒豆、大麦、その他雑穀、天然塩を少々入れると美味しいです!)
◆みそ汁、スープには、根菜類など、多くの種類の具材を入れる。
◆良質の油(えごま油、オリーブオイル等)、胡椒、七味など、調味料を加える。
◆野菜ジュースを飲む。 ・・・出来れば、生搾り野菜ジュースを!
◆良質なナッツ(くるみ、アーモンド、カシューナッツ)を摂る。
(3)野菜、果実をたくさん食べる
野菜や果物には、
抗酸化作用、
抗炎症作用、
抗ガン作用のある栄養素の宝庫です!
野菜や果物は、食物繊維、ビタミン、ミネラルが豊富であることは一般に知られています。
それだけでなく、数千種類あると言われてフィトケミカル(野菜、果物、キノコ類、木の実など植物に含まれる植物栄養素)も豊富に含まれています。
ポリフェノール、カテキン、β-カロテン、β-グルカンなど、色素、香り、苦みなどの成分が、フィトケミカルです。
<フィトケミカルの薬理作用>
抗酸化作用
抗炎症作用
抗ガン作用
それぞれのフィトケミカルによって、抗酸化作用が強いものもあれば、抗炎症作用が強いものもあれば、抗ガン作用が強いものもあります。
様々な野菜を摂ると、様々な薬理効果を受けることになります。
野菜は低カロリーですので、少々食べ過ぎても大丈夫!
みそ汁、スープだと栄養をしっかり吸収することが出来ます。
ダシと薬味を利かせ、塩分を控えめにして(良質の塩分を使って)、スープを残さずいただきましょう!
(4)野菜から食べる
糖質の多い白ごはんから食べはじめると、血液中の糖分が急激に増えます。
そのため、大量のインスリンが分泌され、からだが疲れやすくなりますし、太り易くなります。
糖尿病になるリスクも高まりますし、結果的に、糖尿病と関係の深いアルツハイマー病のリスクも高まります。
<食事を食べる順番>
「野菜 ⇒ たん白質(肉・魚) ⇒ 炭水化物(ご飯・パン)」の順番に食べるのが理想です。
サラダや野菜の煮もの、おひたしのような食物繊維が豊富に含まれた野菜を先に食べます。
その後、魚や肉などのメイン料理に進み、最後にご飯を食べると、血液中の糖分はゆっくりと増えていくので、その処理のために働くインスリンは少なくて済みます。
(5)よく噛む
しっかり噛むことは、食べものを細かくするだけではなく、様々な健康長寿の効果があります。
<咀嚼の効果>
(1)消化吸収促進
しっかり噛むと、唾液の分泌もうながします。
食べものを細かく砕き、唾液の消化酵素による分解効率がアップするので、胃腸の負担を軽減します。
「全ての病気の原因は消化不良(腸内の腐敗)から!」と言われています。
消化を促すために、しっかり噛むことが重要です。
(2)虫歯・歯周病予防
唾液に含まれている酵素には、虫歯を予防する効果があります。
唾液には、口から侵入するさまざまな菌を退治する抗菌作用もありますので、歯周病予防にも効果的です。
(3)免疫力向上
唾液に含まれる酵素には、がんや動脈硬化などの原因となる活性酸素を抑制する働きもあります。
(4)脳の活性化
歯と脳の間には強力な神経のネットワークが存在します。
しっかり噛むことで脳の血流や代謝がうながされ、脳は活性化します。
記憶力が高まり、認知症のリスクも軽減します。
また、運動機能・瞬発力が高まります。
スポーツ選手がガムを噛んでいるのは、運動機能を高めるためです。
(5)味の向上
食物の味物質を溶出し、素材の味がよくわかるようになります。
口の中で、炭水化物が麦芽糖に変わりますので、甘味が出てきます。
(6)ダイエット効果
食べ物が胃に入って、満腹感を感じるまでに、20-30分掛かると言われています。
一気に食べると、満腹感を感じる前に、更に食べることになりますので、ついつい食べ過ぎます。
しっかり咀嚼すると、満腹中枢が刺激され、食べる量が減ります。
(6)良質な食材を摂る
<良質な食材>
(1)新鮮な食材
食材は時間が経つと酸化します。
酸化すると栄養価が低下するだけでなく、からだに負担が掛かります。
(2)旬の野菜
旬の野菜は、旬以外の時期に栽培された野菜と比較して、栄養価が約2倍です。
しかも、生命力が強い時期に栽培される旬の野菜は、化学肥料・農薬も少なく済むので、安心安全です。
(3)自然に近い食材
加工された食材は、消化するのに酵素を沢山使うので、からだに負担が掛かります。
野菜・果物・魚・玄米など、出来るだけ加工されていない食材がオススメです。
良質な食材をしっかり噛んで食べる!
旬の野菜、魚のサラダは理想的な食事!
(4)発酵食品
日本の発酵食品は天然のサプリメントです。
例えば、甘酒は、江戸時代には夏バテ防止の栄養ドリンクとして、親しまれていました。
甘酒に含まれる麹菌は、日本の発酵食品「味噌」「醤油」などの製造に使われてきました。
今こそ、日本の食文化を見直したいものです。
乳酸発酵甘酒「麹のおちち」
乳酸発酵甘酒「麹のおちち」
<日本の発酵食品で期待される効果>
疲労回復・夏バテ防止
免疫力の増強
便秘改善
血糖値上昇の抑制
肥満防止
<なぜ日本の発酵食品が健康に良いのか?>
理由(1)
麹菌が作る酵素が消化・吸収を助ける
↓
体内の消化酵素の消耗を防ぐ
↓
体内で代謝酵素が多く生産される
↓
細胞内でのエネルギー代謝が円滑
↓
活性酸素が生じにくい・疲れにくい
理由(2)
麹菌が腸内の善玉菌のエサとなる
↓
腸内の善玉菌が増え、悪玉菌が減る
↓
腸壁が健全な状態となる
↓
免疫力がupする!(免疫細胞の6割が腸に集中)
肝臓がきれいになり、血行が良くなり深部体温が上がる!
(5)良質な油
青魚に含まれるDHA・EPA、えごま油、亜麻仁油、オリーブオイル、ココナッツオイルなど良質な油。
細胞の酸化、炎症を抑える働きがあります。
良質の油は脳のエネルギーになるだけでなく、細胞膜の構成成分、脳細胞、ホルモンの原料としても不可欠な存在です。
代謝を高め、体内の脂肪を燃焼する効果があります。
=抗酸化作用、抗炎症作用のある良質な油=
オメガ3(α‐リノレン酸): 青魚、えごま油、しそ油 、亜麻仁油、インカチンオイル
オメガ9(オレイン酸): オリーブオイル、アボガドオイル
中鎖脂肪酸 : ココナッツオイル
青魚に含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)もオメガ3(α‐リノレン酸)の一種。
良質な油は、中性脂肪を燃焼し、血液をサラサラにして、脳梗塞、心筋梗塞、糖尿病、アルツハイマー型認知症など生活習慣病の予防に効果があります!
新鮮な旬の魚には良質な油がたっぷり!
新鮮な旬の魚には良質な油がたっぷり!
<避けたい食品>
(1)加工食品(インスタント食品、清涼飲料水、スナック、ハム・ソーセージ)
加工食品は、塩分、脂肪分、カロリーが多く、ビタミン・ミネラルが少なく、酵素はありません。
消化するために、ビタミン、ミネラル、消化酵素の無駄遣いします。
加工食品の多くは、食品添加物(保存料、着色料、発色剤、漂白剤、甘味料、増粘剤、調味料)が使われ、これらは体をサビつかせる「活性酸素」を発生させる恐れもあります。
(2)塩分の多い食品
外食、加工食品、コンビニ弁当の多くは、過剰に塩分を入れていることが多いので、控えめにしましょう。
(3)トランス脂肪酸を含む食品
トランス脂肪酸は植物油を扱う過程で人工的に生成される副産物です。
マーガリン、ショートニングなどに多く含まれ、動脈硬化、心臓疾患、ガン、免疫機能低下、認知症、不妊症、アレルギー症など様々な疾病を引き起こすことが明らかになっています。
マーガリン、ショートニングを材料とする洋菓子類、ジャンクフード、マヨネーズ、コーヒー用クリーム、インスタントラーメンに含まれていることが多いので、出来るだけ、避けた方が無難です。
(4)高GI食品(精製された白い物/白米、パン、パスタ、シリアル類)
高GI食品は血糖値を上げ、血管を傷つけます。
大量のインスリンで様々な悪影響が出ます。
(7)甘い物は控えめに
<甘い物の弊害>
*糖尿病、アルツハイマー病、動脈硬化、ガンのリスクも高まります!
*慢性疲労、イライラ、肥満、肌荒れ、シワ、たるみに繋がります!
*腸内環境が悪化(=腸内が腐敗)します!
(1)からだの老化のひとつ「糖化」の原因
糖化とは、細胞内のタンパク質が、焦げ付く現象です。
糖化すると、細胞はもろく、傷つきやすくなるので、肌荒れ、シワ、たるみの原因となります。
(2)血糖値の乱高下で、体調不良の原因
糖質を過剰摂取すると、体内の血糖値が急激に上がります。
血糖値が急激に上がると、大量のインスリンが分泌され、その反動で血糖値が急激に下がり、その結果、眠くなる、イライラする症状が現れます。
糖尿病になるリスクも高まり、糖尿病と関係の深いアルツハイマー病のリスクも高まります。(*)以下参照
(3)ビタミン不足、体内酵素不足で、疲労、イライラ、肥満の原因
甘いものをエネルギーにかえるには、ビタミンB群が必要です。
甘いものを食べると、体内は慢性的なビタミンB群不足となります。
ビタミンB群が足りないと他のビタミンもうまく働かないので、慢性的なビタミン不足状態となります。
また、糖分の消化で消化酵素を浪費してしまうので、代謝酵素不足状態になります。
その結果、慢性疲労、イライラ、肥満を引き起こしてしまいます。
(4)動脈硬化の原因
糖分を過剰摂取すると、血管内に糖の結晶(シュガークリスタル)が増えます。
糖の結晶が、血管を傷付け、動脈硬化のリスクが高まります。また、細菌が血液内で繁殖す易くなりますので、様々な病気の原因となります。
(5)ガンの原因
がん細胞の餌は、ブドウ糖だけです。
糖分の過剰摂取は、ガンのリスクを高めます。
(6)腸内腐敗の原因
悪玉菌のエサになるため、腸内環境が悪化(=腸内が腐敗)します。
(7)感染体質の原因
一部はショ糖のまま血液に吸収され、血中でカビ・細菌のエサとなるため、感染症になり易い体質になります。
<なぜ糖尿病がアルツハイマー病のリスクを高めるのか?>
(1)糖尿病が動脈硬化を促進するから
(2)高血糖の糖毒性の影響で、酸化ストレスが高まり、ゴミ蛋白(βアミロイド)が脳に付着し易くなるから
(3)インシュリンの血中濃度が高まり、ゴミ蛋白が脳に付着し易くなるから